Gemini（ジェミニ）はEarn（アーン）製品のユーザーに100%現物で賠償へ

GeminiがEarn（アーン）ユーザーに現物で100%賠償へ

人気仮想通貨取引所Gemini（ジェミニ）は、ジェネシス訴訟を監督する破産裁判所の承認を待って、失敗したEarn（アーン）製品のユーザーに現物で100%賠償する計画を発表した事が分かった。

Earn Update: Today, we are pleased to announce that we have finally reached a settlement in principle with Genesis and other creditors in the Genesis Bankruptcy that will, if approved by the Bankruptcy Court, result in all Earn users receiving 100% of their digital assets back in…

— GeminiTrustCo (@GeminiTrustCo) February 28, 2024

ユーザーにとって、Gemini Earnの悪夢は終わりを迎えそうである。1年以上、資産を宙に浮いた状態が続いたが、Geminiの最近のアップデートは、ユーザーが完全に回復しつつあることを示唆している。2024年2月28日（水曜日）、当NEXTMONEYの2024年2月29日付特集記事「ジェミニ（Gemini）はアーンプログラム和解で11億ドルの返済に合意」で報じているように、NYDFS（ニューヨーク金融サービス局）と11億ドル（約1,648.5億円）の返済に合意。その結果を待ってGeminiは製品のユーザーに現物で100%賠償する計画を発表している。

Geminiによる具体的な賠償計画

Geminiが発表した計画によると、ユーザーは資産の97%を2カ月以内に受け取るとのことだ。

残りは今後12カ月以内に受け取れる見通しで、現在のレートで総額18億ドル（約2705.7億円）の支払いとなる見込みで、推定額より7億ドル（約1,052億円）多いという。この上昇は、ほとんどの仮想通貨価格が過去1年間で大幅に上昇した事によるものだ。

さらに、最新計画では、NYDFSとの和解の一環では、顧客に全額を支払うことに加えて、取引所はGenesis（ジェネシス）破産手続きに4,000万ドル（約60億円）を拠出するとともに、同取引所社の安全と健全性を脅かす重大な失敗に対する罰金3,700万ドル（約55.6億円）の支払いが求められている。DFSの監督官エイドリアン・A・ハリス（Adrienne A. Harris）長官は、今回の和解を「顧客にとっての勝利」と述べ、GeminiはGenesisに対するデューデリジェンスを怠り、最終的に不正行為につながり、顧客の資金10億ドル以上の損失につながったという。

なお、DFSは、ジェネシスの破産が解決された後、取引所が取引の終了を履行できなかった場合、Geminiを訴追する権利を保持していると述べている。

15カ月にわたる大失敗

Geminiは2020年にEarn 製品を開始しており、顧客が仮想通貨に対して利息を獲得できるようにした。

この製品の基礎となるのは、Geminiが顧客資産をGenesisに投資する仕組みであり、Genesisはこれらの預金を、現在は消滅した仮想通貨ヘッジファンドの3AC（リーアローズキャピタル）やFTXの姉妹貿易会社アラメダリサーチを含む顧客リストに貸し出していた。その後、2022年11月のFTXとアラメダの破綻により、GenesisはGemini顧客の仮想通貨約11億ドルを含む顧客の出金リクエストを償還できなくなったことでGenesisは最終的に2023年1月に破産を申請した。

GeminiがGenesisから顧客資金を回収しようとするなか、両社は複数の訴訟に見舞われている。2023年1月、SEC（米国証券取引委員会）はEarn製品を通じて未登録証券を提供した疑いで両社を起訴。Geminiは依然として両方の訴訟に巻き込まれているが、Genesisは2024年2月1日にSECと2,100万ドルで和解。Genesisが出金を停止した際、20万人を超えるGeminiの顧客が手荷物を抱えたままになったことから、最近の和解により、これらの顧客は回復にまた一歩近づいたと言える。

ジェミニ（Gemini）はアーンプログラム和解で11億ドルの返済に合意

2024.02.29