ETFの流入が香港でのHSBC仮想通貨ETFの提供を刺激

HSBCは独自仮想通貨ETFの立ち上げへ

BlackRockやFidelityを含む世界最大級の資産運用会社に続き、世界最大の銀行機関の一つであるHSBCは独自の仮想通貨ETF(上場投資信託)を積極的に立ち上げようとしていることが明らかになった。

HSBC香港が2023年6月26日(月曜日)にビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)のETFを顧客に提供すると、仮想通貨関連のニュースが相次いで報じられた。金融界で最も影響力のあるプレーヤーからのこの動きは、投資家の間に楽観主義の新たな波を巻き起こしている。BlackRockやFidelityのETF申請がSEC(米国証券取引委員会)の承認を待っている間、HSBCは顧客にビットコインとイーサリアムのETFを提供する道を見つけ、米国の金融機関に先んじようとしている。

日本語訳:
スクープ:香港最大の銀行であるHSBCは現在、香港取引所に上場されているビットコインとイーサリアムETFの売買を顧客に認めており、それを認めた香港の最初の銀行でもある。この動きにより、香港の地元ユーザーの仮想通貨へのエクスポージャが拡大することになる。

中国系仮想通貨ジャーナリストのコリン・ウー(Colin Wu)氏によると、HSBC香港の顧客は、香港証券取引所に上場される4番目の仮想通貨ETFを通じ、仮想通貨を直接所有することなく、迅速にエクスポージャーを得られるようになったという。2022年12月からHSBCを通じて仮想通貨ETFを取引できるようになったことは注目に値するが、HSBCがこの地域で独自のETFを提供するのは今回が初めてである。仮想通貨ETFはCSOP (※1)ビットコイン先物ETFとCSOPイーサ先物ETFの上場によって香港証券取引所にデビューし、1月にはサムスン・ビットコイン先物アクティブETFがこれに加わった。

(※1)Company Share Option Plan:当社新株予約権制度)とは…
税制適格裁量株式オプション制度のことで、企業は任意の従業員または常勤取締役に、付与日の株式の市場価値を下回らない行使価格で株式を取得するオプションを付与できるというもの。

今回の進展は、HSBCの顧客も銀行の投資プラットフォームからこれらのETFにアクセスできることを示しており、香港のような主要な金融センターにおいて、主流機関が仮想通貨投資を採用することで仮想通貨コミュニティの興奮を巻き起こしている。

近年仮想通貨ハブとして急激に浮上する香港

ETFに加えてHSBCは仮想通貨関連のリスクから投資家を教育・保護するため、仮想資産投資家教育センターを立ち上げている。

同プログラムでは、投資家が資産に投資する前に、資産に関連するリスクを理解することを求めており、教育センターは、現在170万人以上のユーザーを誇るHSBCのモバイルアプリからアクセスできる。実際、香港は最近、規制に関してアジアで歓迎されるクリプト・ハブへと移行するための協調的な努力を実施。米国が仮想通貨業界の取り締まりを強化するなか、香港は個人投資家向けの新しい仮想通貨フレームワークとライセンスガイドラインを急速に策定し、より多くの仮想通貨企業を誘致しようとしている。

香港の銀行規制当局であるHKMA(香港金融管理局)は、HSBC、中国銀行、スタンダード・チャータードなど、同地域の大手銀行に対し、新しい仮想通貨法を遵守し、仮想通貨企業を顧客として受け入れるよう圧力をかけている。一方で、香港SFC(香港証券先物委員会)は6月1日に仮想通貨取引プラットフォームの申請を受け付け、コインベース(Coinbase)に香港での登録を呼びかけるなど、香港はここ数カ月で世界的な仮想通貨ハブの可能性が浮上している。