上院での採決目前、CLARITY法案を巡る激しい攻防と各界の懸念
米国上院での手続き上の初回採決を目前に控え、暗号資産の規制枠組みを定めるCLARITY法案(デジタル資産市場明確化法案)を巡り、激しい対立が表面化している。
I’m leading a bipartisan coalition of AGs in urging Congress to reject the Clarity Act.
As written, this could embolden scammers and risks limiting our authority to protect our states’ investors from fraud.
Innovation can’t come at the expense of protecting Americans’ wallets.
— NY AG James (@NewYorkStateAG) September 14, 2026
私は超党派の州司法長官連合を率いて、議会に対し「クラリティ法案」の否決を強く求めています。現状のままでは、詐欺師を増長させ、州の投資家を詐欺から守るわれわれの権限を制限する恐れがあります。イノベーションは、アメリカ国民の財産を守ることを犠牲にして実現するものであってはなりません。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官が主導する18州の超党派司法長官グループが、法案の修正なしでの否決を上院指導部に要請したほか、銀行業界や仮想通貨業界、部族カジノ団体からも相次いで強い懸念が示されている。
州の法執行権限と詐欺対策の後退を懸念
18州の超党派司法長官グループは、上院銀行委員会の指導部宛ての書簡において、現行の法案文言のままでは悪質な詐欺師に抜け道を与えてしまうと強く警鐘を鳴らしている。
FBI(米国連邦捜査局)のデータによると、前年の暗号資産関連詐欺による投資家の損失額は114億ドル(約1.76兆円)に上る。司法長官らは、2017年以降に各州が講じてきた330件以上の詐欺防止・摘発措置の成果が、SEC(米国証券取引委員会)などの連邦法優先によって制限され、市民を保護する第一線の防御網が弱まると主張している。
土壇場の修正案と各界の複雑な思惑
共和党側は、上院での成立に必要な60票を確保するため、600ページを超える最終案に一部の譲歩条項を盛り込みんだ。
具体的には、公務員の利益相反規定の執行において州司法長官に一定の役割を認める点や、地域銀行からの預金流出に対する18カ月間の時限的な緊急停止措置(サーキットブレーカー)などが追加された。
しかし、これらの変更に対しても各方面から不満の声が上がっているのが現状だ。銀行側は、預金流出が起きた後でなければ発動できない緊急停止措置は不十分であると反発。また、仮想通貨業界の団体からは、一部の開発者を保護する規定から刑事法上の免責が削除されたことに対する失望の声が漏れている。さらに、インディアン・ゲーミング協会などの部族カジノ団体も、CFTC(米国商品先物取引委員会)の権限拡大が州や部族のゲーミング法に影響を及ぼすとして法案に反対の立場をとっている。
今後の行方
暗号資産市場が動向を固唾(かたず)をのんで見守る中、法案の主要提案者らは「最善かつ最終の提案」として成立に向けた自信を示している。
イノベーションの促進と投資家保護のバランスをどこに置くのか、連邦と州の権限分担を巡る折衝は土壇場まで続いており、採決の結果が今後のデジタル資産市場の規制環境に大きな影響を与えることは確実視されている。























