Bitcoin Suisse、事業の海外移転に伴いスイス国内従業員の最大半数を削減へ

Bitcoin Suisseが大規模組織再編とスイス国内での人員削減へ

暗号資産金融サービスを手掛けるBitcoin Suisse(ビットコイン・スイス)は、グローバルな富裕層向け資産管理事業の拡大および国際展開の本格化に伴い、大規模な組織再編を実施する方針を固めた

同社はスイス国内の従業員の最大半数にあたる約60人の人員削減と、バックオフィスやソフトウェア開発業務の海外移転を計画。今回の動きは、暗号資産市場の低迷による経営難を理由としたものではなく、より広範な事業運営モデルの抜本的見直しやコスト効率の最適化を目的とした戦略的なものとされている。

本社の機能維持と業務の海外移管先

ツーク(Zug)に本社を置くBitcoin Suisseは、2013年の設立以来、スイスの「クリプト・バレー」における草分け的存在として、暗号資産の取引、カストディ(資産保管・管理)、ステーキング、レンディングなどのサービスを提供してきた。

現在、同社は全世界で約200人の従業員を擁し、スイス国内では約120人を雇用している。今後は富裕層の個人顧客や機関投資家へのアプローチを強める方針であり、顧客へのアドバイスやウェルス・マネジメントといった「顧客対応業務」はスイス本社が継続する。その一方で、管理部門やソフトウェア開発、バックオフィスなどの機能については、より低コストな海外拠点へと移管されることになった。

具体的な移転先としてはスロバキアのブラチスラバに加え、新たにベトナムに拠点を設ける計画が進められており、コペンハーゲンの技術拠点は閉鎖される方向で話が進んでいるという。

加速する国際展開とライセンスの獲得

こうした動きの背景には、同社が推進する積極的な海外市場への事業拡大がある。Bitcoin Suisseは欧州部門においてリヒテンシュタインでMiCAR(暗号資産市場規制)に基づくライセンスを取得したほか、バミューダでデジタル資産および投資関連のライセンスを獲得。さらに、子会社のBTCS (Middle East) Ltd.がアブダビのFSRA(金融サービス規制局)から金融サービス認可を受けており、グローバルな資産管理プラットフォームへの進化に向けた体制を着々と整えている。

現在、同グループは約37億ドル(約5,700億円)相当の暗号資産を管理しており、ステーキング事業者としても世界第4位の規模を誇る。

スイス金融業界とクリプト・バレーの現在地

一方で、今回の決定が下されたスイスの暗号資産エコシステム全体を見渡すと、状況は一様ではない。

クリプト・バレーの企業はブロックチェーン関連の資金調達において一定の存在感を示しているものの、スイスの金融業界全体では雇用縮小の動きが相次いでおり、大手金融機関なども大規模な人員削減を計画している。こうした中で、Bitcoin Suisseの事例は、暗号資産セクターに依然として資本が流入。その一方で、既存の有力企業であっても国際競争力の強化やコスト構造の見すえ直しのために、技術やサポート機能の配置場所をより慎重に選別する時代に入ったことを象徴している。

 

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