JPモルガンがテザーによる仮想通貨市場のリスク増大を警告

JPモルガンがテザーと仮想通貨市場のリスクについて警告

JPMorgan(JPモルガン)は、テザー(Tether/USDT)の「規制遵守と透明性の欠如」に起因する仮想通貨市場のリスク増大について警告したことが分かった。

世界的な投資銀行であるJPモルガンは、テザー社のUSDTステーブルコインの急速な拡大が仮想通貨市場全体にとってのリスクであると警告する報告書を発表。USDT は世界最大のステーブルコインであり、2024年2月6日15時の時点でCoingecko(コインゲッコー)の最新データによると、時価総額は960億ドル(約14兆円)を超えている。

同銀行のアナリストらは、既存の規制をより遵守してきた他のステーブルコイン発行会社は、今後のステーブルコインに対する規制の取り締まりから恩恵を受け、市場シェアを獲得する可能性が高いと説明。一方でテザーの「規制遵守と透明性の欠如」が仮想通貨市場全体のリスクを増大させていると説明している。

Circle におよばないとの指摘にテザーのCEOが反論

アナリストらは、テザーがステーブルコインの規制順守という点で、USDCの発行者である競合他社のCircle(サークル)におよばないことを指摘している。

USDTと仮想通貨市場へのリスクに対するJPモルガンの批判に応えて、テザーのパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。

テザーの市場支配は、同様の成功を望んでいる銀行業界を含む競合他社にとっては「マイナス」かもしれないが、私たちを最も必要としている市場にとっては決してマイナスではなかった。私たちは常に世界の規制当局と緊密に連携して、テクノロジーについて教育し、規制当局がそれについてどのように考えるべきかについてのガイダンスを提供してきました。

テザーは2021年、特にUSDTが全額米ドルで裏付けられていると主張して準備金を虚偽表示したとして、CFTC(商品先物取引委員)から4,100万ドル(約60億円)の罰金を科せられている。罰金を受けて、同社は四半期ごとに運営と財務の証明書を発行することで透明性の向上に努めてきた。なお、テザーは2023年に62億ドル(約9,205億円)の利益を報告している。

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