MastercardとIslandPayが提携|バハマでCBDCにリンクしたプリペイドカードを発売

バハマでCBDCにリンクされたプリペイドカードを発売

バハマのナッソーを拠点とする決済サービスプロバイダーのIslandPayMastercardは、バハマ中央銀行と提携し、CBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行発行デジタル通貨)にリンクされたプリペイドカードをリリースしたことを発表した。

NEXTMONEYの特集記事「バハマ、中央銀行デジタル通貨「サンドダラー」を発表」で報じているように、バハマ国では2020年10月から段階的にサンドダラー(Sand dollar)がリリースされている。今回のサンドダラーにリンクされたプリペイドカードのリリースにより、サンドダラーで商品やサービスの支払いができるようになる。

限定的使用から自由なサンドダラー使用へ

これまでバハマ居住者がサンドダラーを使用した支払いができたのはバハマ中央銀行が承認したeウォレットを設置している店舗でのみだったが、今回の提携により、プリペイドカードにサンドダラーを入金することで、支払い時にサンドダラーをバハマドルに変換し世界中のマスターカード加盟店で支払いができるようになった。今回の発表に際してバハマ中央銀行総裁のジョン・ロール(John Rolle)氏は次のように述べている。

デジタル通貨の使用と外貨やその他の支払い手段へのアクセスを組み合わせるこのアプローチを歓迎します。また、バハマ中央銀行は、スペースの規制に関する世界的なベストプラクティスを満たすことを可能にしながら、サンドダラーインフラストラクチャーに結びつくフィンテック開発を引き続き奨励していきます。

IslandPayとMastercardのパートナーシップは、カード、ACH (※Automated Clearing House=自動資金決済センター)、ブロックチェーンベースのすべてのタイプの支払いを可能にするMastercardの長期戦略の一部だ。実際、世界中で285のブロックチェーン特許が出願中であり、決済業界で最大のブロックチェーン特許ポートフォリオになる可能性がある。

バハマ中央銀行は2018年にCBDCの導入計画を発表し、2019年12月にバハマのエグズマ島とアバコ島でサンドダラーのパイロット運用を行っており、金融サービスを利用するのが困難な人々が、モバイルでの決済を可能にする目的がある。さらに、マスターカード社は、2021年内に特定の仮想通貨を直接支払いに使用できるようにするためのアップデートを発表している。

バハマ、中央銀行デジタル通貨「サンドダラー」を発表

2020.10.21