テザー(Tether)がUSDTリザーブレポートのために新しい監査人BDO Italiaを採用

テザーが主要なヨーロッパの監査人を採用

主要ステーブルコイン発行会社であるテザー(Tether/USDT)は、会計事務所BDO Italiaを採用し、ケイマン諸島の独立監査企業であるMHAケイマン(MHA Cayman)に代わり、USDT準備金の証明レポートを監督した事が新たに判明した。

1965 年に設立されたBDO Italiaは、収益面で世界第5位の公的会計組織である、イタリアの財務アドバイザリーおよび会計監査会社である。Tetherによると、BDOと協力するという決定は、顧客への証明書レポートの透明性を高めるというコミットメントの一環であり、以前の四半期ごとの報告の取り決めに代わり、毎月証明報告書をリリースする予定であると述べ、次のように語っている。

この新しい関係は、透明性へのテザーの献身と一致しており、完全な監査に向けた会社の道の次のステップです。


ステーブルコインテザー

ステーブルコインは、法定通貨や金などの比較的安定した資産の価値に固定されたデジタル通貨であり、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)など、他の仮想通貨とは異なり、投資家やトレーダーを市場の変動から保護する。

Tether の主力資産USDT は、世界最大の規模を誇るステーブルコインであり、CoinMarketCapの調べによると、9兆2,235億円の時価総額を誇り、時価総額ランキングでBIT、ETHに続き、3位に入っている。USDTはUSDに1対1で固定されているため、Tether は USDT の時価総額の100%を準備金として持つと予想されている。

テザーUSDTリザーブ論争

ローンチ以来テザーでは、USDTの準備金をめぐる論争があり、同社は、ステーブルコインが流通しているUSDTの価値と同等またはそれ以上の紙幣とコマーシャルペーパーに裏打ちされていると主張している。

ただし、投機家はこれらの主張に広く異議を唱えてる状態だ。このような背景から、同社は透明性向上のため、USDTリザーブに関する四半期ごとの証明書をリリースしていたが、BDO採用により、以降は毎月発行される。同社のパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)CTO(最高技術責任者)は次のように語っている。

私たちは、Web3経済における最強の安定した資産として、急成長している仮想通貨市場にサービスを提供することを約束します。透明性に対するテザーの取り組みは新しいものではありません。これは、ステーブルコイン技術について世界を教育する市場リーダーとしてのリーダーシップの責任と一致しています。


コマーシャルペーパーを減らすテザー

テザーの最後の四半期認証レポートは、ケイマン諸島の独立監査会社である MHA ケイマンにより、2022年5月に公開され、USDT が完全に裏付けられていることが示された

当時、同レポートは、テザーがリスクの高いコマーシャルペーパーを前四半期から17%削減したことを示していた。その一方で同社は、準備金の商業債務を削減する計画を発表したばかりである。

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