Liquid Networkでセキュリティインシデントが発生
ビットコイン(Bitcoin/BTC)のレイヤー2ネットワークLiquid Network(リキッド・ネットワーク)にて、セキュリティインシデントが発生した。
We are aware of a security incident on @Liquid_BTC. Purported white-hat hackers have withdrawn ~4,000 BTC (~$320 million) from the Liquid Federation wallet. The @Blockstream team is working on contacting them on-chain with a signed message.
What we know so far is that the funds…
— Liquid Network 🌊 (@Liquid_BTC) September 6, 2026
@Liquid_BTCでセキュリティインシデントが発生したことを認識しています。ホワイトハットハッカーとされる人物が、Liquid Federation ウォレットから約 4,000 BTC (約 3 億 2,000 万ドル) を引き出しました。Blockstreamチームは、署名付きメッセージ…
自称“ホワイトハットハッカー(善意のセキュリティ研究者)”グループにより、資産を裏付けるウォレットから約4,000 BTC(約3億2000万ドル:約491億円相当)が引き出され、ネットワークが一時停止する事態へと発展している。
今回の問題は、Liquidからビットコインのメインチェーンへ資産を戻す「ペグアウト」機能を担う清算プラットフォームSideSwap(サイドスワップ)経由で発生。報告によると、何らかの攻撃者が裏付けのないL-BTC(Liquid上のビットコイン)を発行し、正規のペグアウト手続きに見せかけ、約4,000 BTCを換金・引き出したとされている。流出直前には約4,200 BTC存在したフェデレーション・ウォレットの残高は、一気に約200 BTCまで激減した。
Liquid Networkを運営するBlockstream(ブロックストリーム)社およびSideSwap側は、ペグアウト承認キー(PAK)を含む各種秘密鍵の流出やシステムへの直接侵入は否定。基盤ソフトウェアであるElements(エレメンツ)の脆弱性を突かれた形とみられており、同社は被害拡大を防ぐためブリッジノードを無効化し、ネットワークの稼働を緊急停止した。
今回の影響はビットコインの保管機能に留まっており、同ネットワーク上で発行されているテザー(Tether/USDT)やRWA(実物資産)トークン、さらにはビットコインの本チェーン自体には影響がおよんでいない。なお、主要な暗号資産取引所も連携し、入出金の停止措置を進めている。
オンチェーンで交わされる異例の交渉と返還条件
流出発覚後、ハッカー集団はビットコインのトランザクションデータ内に「われわれはホワイトハットだ。オンチェーンで連絡を」というメッセージを刻んでいる。
これに対しBlockstream社は、PGP署名付き暗号化メッセージやメールアドレスの提示、さらには相手が提示したチャットアプリSignal(シグナル)のアカウントを通じて公開対話をしている。
ハッカー側は引き出した暗号資産(約3,998.5 BTC)の大部分を返還する意向を示しているものの、即座の返還には応じていない。彼らは「現在のプログラム状態のままではネットワークの危険が続いている」と主張。Blockstream社が基盤バグを完全に修正し、すべてのノードへパッチが適用されたことを確認した後に資金を安全に戻すと条件を提示した。Blockstream社もこの要請に対し「承知しました」と合意の旨を返答している。
セキュリティ業界から寄せられる疑念の声
今回の「資金を抜き取った上でバグ修正を要求する」という一連の挙動に対し、業界内からは不信感や困惑の声も上がっています。
大手ハードウェアウォレット企業Ledgerのシャルル・ギルメ(Charles Guillemet)CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)は、過去に発生したRonin(ロー人)やEuler(オイラー)の巨額流出インシデントを引き合いに出し、「真のホワイトハットであれば、ブリッジから多額の資金を奪い取った後にオンチェーン交渉を求めるような手段は取らない」と批判した。
同氏は、脆弱性の修正まで資産の返還を拒む近年の自称ホワイトハットのあり方に疑問を呈しており、今回の攻撃者の真の意図や倫理観については専門家の間でも意見が分かれている。
Blockstream社を含む連合メンバーは現在、システムの脆弱性解消とノードの更新作業、そして安全な資金回収に向けて復旧対応を続けている。
























