MUFGらが日本国債レポ取引のオンチェーン化・決済の試験運用へ
MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)傘下の三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券3社は、Digital Asset HoldingsおよびProgmat(プログマット)と共同で、日本国債(JGB)レポ取引のオンチェーン化に向けた概念実証(PoC)に着手した。
このプロジェクトは、金融庁の決済高度化プロジェクト(PIP)の支援案件として実施されるプロジェクトだ。
背景と目的:270兆円規模の市場効率化
国内の国債レポ市場は、約250兆〜270兆円の未決済残高を抱える巨大な短期資金調達市場だ。
現行の決済では、T+1=翌営業日決済が標準であり、決済までの間、金融機関は追加の資金や担保を拘束される課題があった。この実証では、機関投資家向け金融特化型ブロックチェーンCanton Network(カントン・ネットワーク)を活用し、処理の自動化とアトミックDvP(代金と証券の同時受渡)によるリアルタイム日中決済の実現を目指していく。また、これにより、24時間365日の取引対応や資金・資本効率の飛躍的な向上が期待されている。
実証実験における2つの主要アプローチ
今回の実証は、既存の金融枠組みや制度を尊重しながら段階的に高度化を進める方針をとっており、主に以下の2点で検証が行われる。
・振替国債制度を維持した即時決済(DvP)
国債自体を直接トークン化するのではなく、現行の「国債振替決済制度」下の振替口座簿とブロックチェーン上の取引結果を中間装置で同期・連動させる。決済手段には、トークン化預金や円建てステーブルコインの活用が検討されている。
・スマートコントラクトによる取引自動化
スイスのSecured Finance AG(セキュアード・ファイナンス エーゲー)が提供するレンディング・プロトコルを接続し、約定照合から金利計算、満期管理、担保返還に至るレポ取引の全ライフサイクルを自動化・一本化する仕組みを検証する。
今後の展望とスケジュール
MUFGらは2026年末までにPoCを完了させ、早ければ2027年度からの商用展開、2027〜2029年度にかけた本格展開を見込んでいる。Progmat主導の「トークン化国債・オンチェーンレポ ワーキング・グループ」とも連携を図り、業界横断的なインフラ構築を進める構えだ。
欧米で先行するオンチェーンレポ取引の波に対し、日本市場も既存の信頼性を保ちながら24時間稼働の次世代金融基盤へ移行するための重要なステップとなる。
























