テザー社、サウジアラビア企業と提携して機関投資家向け不動産のトークン化市場へ参入

テザー社が機関投資家向け不動産のトークン化市場へ参入

ステーブルコイン「USDT」の発行元として知られるテザー(Tether)社は、サウジアラビアにおいて機関投資家向け不動産のトークン化事業に参入することを発表した。

日本語訳:
Hadron by TetherがFirst DataおよびBKN301との戦略的提携を開始し、サウジアラビアにおける機関投資家向けトークン化を推進

主力事業であるデジタル通貨の枠を超え、RWA(現実資産)市場の開拓を進めていく構えだ。このプロジェクトは、現地のAI(人工知能)関連企業First Advanced Data for Artificial Intelligence(ファースト・アドバンスト・データ・フォー・アーティフィシャル・インテリジェンス、※以下、First Dataと表記)およびフィンテック企業のBKN301との戦略的提携により推進される。

基盤として用いられるのは、テザー社が2024年にローンチしたトークン化プラットフォームHadron by Tether(ハドロン・バイ・テザー)だ。各社の役割分担は以下の通りだ。

テザー社:トークン化基盤(Hadron)の提供と技術支援
First Data:トークン発行体およびプライマリー市場の運営
BKN301:現地の銀行、決済、コンプライアンスインフラへのシステム統合

この体制により、不動産資産の発行から管理、追跡までのライフサイクル全体をブロックチェーン上で完結させます。

「サウジ・ビジョン2030」と規制環境の追い風

今回の参入は、サウジアラビアが進める国家成長戦略「saudi Vision 2030(サウジ・ビジョン2030)」の方向性と合致している。

同国では金融市場の近代化や国際投資の誘致に向け、ブロックチェーン技術の活用が積極的に検討されている。制度面においても、サウジアラビア不動産総局が規制サンドボックスに分割所有権トラックを設置するなど、実証実験を行える環境が整備されている。すでに正式運用を開始したプラットフォームも存在しており、同国における不動産トークン化は概念実証の段階を終え、実用化のフェーズに入っている。

主力事業からの多角化と今後の展望

テザー社は、時価総額約26億ドル(約4,118.5億円)規模を誇るシャリア(ハラール認証:イスラム法)認証済みの金トークン「XAUT」の運営などを通じ、RWA分野での実績を積み重ねてきた。

強固な財務基盤を背景に、単なる取引手段の提供にとどまらない金融インフラ企業への脱皮を図っている。同社および提携パートナーは、不動産分野でのモデル構築に成功したのち、エネルギーやインフラストラクチャー・ファイナンスなど、サウジアラビアが重点を置く他の大規模資産クラスへの展開も視野に入れている。

現地の銀行インフラや規制要件に適合した運用を確立できるかが、今後の市場拡大における重要な鍵となる。

 

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