台湾、10月から国内の暗号資産(仮想通貨)送金にトラベルルールを全面適用へ

台湾、10月から送金にトラベルルールを全面適用で暗号資産送金の規律強化

台湾FSC(台湾金融監督管理委員会)は、2026年10月より国内すべての暗号資産サービスプロバイダー(VASP)間で行われる送金に対し、FATF(金融活動作業部会)が提唱する「トラベルルール」を全面的に適用する方針を発表した。

今回の規制案では、送金金額の多寡にかかわらず顧客情報の共有が義務付けられる点が大きな特徴だ。この案は30日間のパブリックコメント(意見公募)を経た後に正式決定される予定だ。

送金額に応じた本人確認とVASPへの義務

新枠組みの下、受取側のVASPは送信側から提供された受取人情報を自社の顧客データと照合する作業が必須となるほか、3万新台湾ドル(約146,000円)を超える取引に関しては追加の本人確認が求められる。

個人送信者の場合は生年月日や居住地住所、法人送信者の場合は公式識別番号や登録住所の開示が必要となる。2021年のAML(マネーロンダリング:資金洗浄)規制導入以降、システムの互換性不足や技術的課題から適用が見送られてきたが、今回の国内適用を手始めに、2027年末までに海外プラットフォームとの送金へも対象を拡大する計画だ。

総合的な仮想資産法制と法整備の進展

台湾では2026年7月、従来のマネーロンダリング対策登録制を廃止し、ライセンス制を軸とした「仮想資産サービス法」が可決された

暗号資産関連事業者への事前承認義務や顧客資産の分別管理、厳格な罰則規定が設けられたほか、ステーブルコインの発行にあたってはFSCと台湾中央銀行双方による承認および完全な準備金の維持が義務化されました。こうした総合的な法整備と並行してトラベルルールの実効性を高める取り組みが進められている。

国際的なルール適用状況と台湾の立ち位置

FATFの2026年7月時点の報告によると、調査対象国・地域の83%がトラベルルールの法制化を完了しているが、実効的な運用や執行においては世界的にばらつきが見られる。その中で送金額の閾値を設けず全送金を対象とする台湾の対応は、国際基準をより厳格に履行する姿勢を示すものとして注目されている。

 

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