連邦裁判所がCFTCの緊急措置および管轄権の主張を却下
米国のスポーツ予測市場をめぐる規制の主導権争いで、ウィスコンシン州の連邦地方裁判所は、CFTC(米国商品先物取引委員会)が申し立てていた仮差止命令を却下し、州の賭博法執行を阻止しようとするCFTCおよび大手予測プラットフォーム側の主張を退けた。
BREAKING: CFTC loses BIG in Wisconsin, as federal court denies its motion for preliminary injunction and holds that sports-event contracts are not "swaps," and, that even if they satisfied definition, CFTC is unlikely to prevail on its argument that the CEA preempts state law. pic.twitter.com/a9vf8HfKIc
— Daniel Wallach (@WALLACHLEGAL) July 29, 2026
CFTCはウィスコンシン州で大敗。連邦裁判所は仮差止命令の申し立てを却下し、スポーツイベント契約は「スワップ」ではないと判断した。また、たとえ定義を満たしていたとしても、CFTCが商品取引法(CEA)が州法に優先するという主張で勝訴する可能性は低いとした。
2026年7月29日、ウィリアム・グリースバック(William Griesbach)連邦地方判事は、CFTCがウィスコンシン州に対して求めていた緊急的な仮差止命令を退ける判決をくだした。
本件は、ウィスコンシン州が4月にKalshi(カルシ)、Polymarket(ポリマーケット)、Crypto.com(クリプトドットコム)、Robinhood(ロビンフッド)、Coinbase(コインベース)の5社に対し、必要なライセンスを取得せずにスポーツ関連の予測契約を提供し州賭博法(第945章)に違反したとして提訴したことに端を発する。
これに対しCFTCは、連邦規制下にあるデリバティブ市場に対する「専属管轄権」を主張し、州側の動きを差し止めるべく提訴していた。しかし裁判所は、CFTCへの登録が直ちに州の賭博法からの保護を意味するものではないと判断。併せて、訴訟への参加を求めていたKalshiおよびCrypto.comの介入申し立てについても却下した。
商品取引法による「州法の優先(先占)」を認めず
今回の判決で焦点となったのは、連邦法(商品取引法)が州の賭博規制に優先するかどうかという先占の原則である。
グリースバック判事は、連邦法がウィスコンシン州の商業賭博規則を自動的に無効化するわけではないと指摘。同州の賭博法の文言は、連邦規制下のスポーツ関連イベント契約にも適用され得ると示唆。また、州の執行を止める根拠としての「回復不能な損害」をCFTC側が十分に立証できていない点も挙げられている。
プラットフォーム側は自らの提供する契約を「金融商品」と主張する一方で、州当局は「事実上のスポーツ賭博」とみなしており、双方の解釈は大きく食い違っている。今回の判決は、ニューヨーク州で同様の主張が退けられた事例とも符合する内容となった。
今後の展望と業界への影響
法律専門家のダニエル・ウォラック(Daniel Wallach)氏によると、連邦法による完全な優先適用が認められなかったため、本件は州裁判所に差し戻される見通しだ。
同氏は、州裁判所が各プラットフォームに対して州内でのスポーツ契約提供を禁止する仮差止命令を発令する可能性があると分析している。敗訴したCFTCとKalshi側は第7巡回控訴裁判所へ上訴するとみられる。
一方で、他地域の控訴裁判所では連邦法の優先を認める判断が出ているケースもあり、判断の分断が進んでいる。急速に拡大する米国の予測市場を連邦と州のどちらが主導するのか、今後の法廷闘争の行方に注目が集まっている。























