へスター・パース氏が暗号資産保管庫やオンチェーン融資業者に警告
SEC(米国証券取引委員会)のヘスター・パース(Hester Peirce)委員は、暗号資産のオンチェーン保管庫(ボルト)や分散型融資(レンディング)サービスについて、既存の連邦証券法が適用される可能性が高いとする見解を示した。
技術的にブロックチェーン上で稼働しているからといって、従来の規制フレームワークから除外されるわけではないと強調している。データ提供サイトVaults.fyi(ヴォールツfyi)の集計によると、2026年7月時点で788の保管庫に約86億ドル(約1.4兆円)規模の資産が預け入れられており、今回の表明は急成長する分散型金融(DeFi)市場に大きな影響を与えている。
証券性を左右するガバナンスと管理体制
パース委員は、判断基準として従来のハウイー・テスト(Howey Test)などを挙げ、資金を共通事業にプールする仕組み自体が証券の要件に該当し得ると指摘した。
特に、以下のような要素を持つプロトコルは、投資会社や投資助言の規制対象となる可能性が高まる。
アクティブな運用管理:専門キュレーターやマネージャーが資産のリバランスや戦略変更を主導している。
ポートフォリオの構造:ユーザー各自の個別口座分離を図っている場合でも、運用判断の実態によって規制対象となり得る。
特定の金利・担保構造:融資プロトコルにおける金利設定や清算条件が、法的性質として債券(証券)と同等とみなされる場合がある。
完全自動化されたスマートコントラクトであっても、人的介入や意思決定プロセスが存在する場合は、より厳格な法的審査が課される見通しです。
市場の動向と今後の展望
今回の発言は、オンチェーンでの保管や融資を直ちに一律禁止するものではなく、個別具体的な事業モデルに基づいて判断される方針で、パース委員は開発者に対し、独自に規制外だと判断する前に、初期段階からSECとの対話を進めるよう促した。
声明発表を受け、保管庫インフラ大手Morpho(モルフォ)の独自トークンが下落するなど、市場は即座に反応。一方で、暗号資産の監督権限を明確化するCLARITY法案(CLARITY Act)の審議は政治的要因等で停滞。事業者は明確な法整備が行われるまでの間、現行法基準に基づいた高度なコンプライアンス対応を迫られている。
























