SECゲンスラー元委員長のテキスト消去問題でコインベース(Coinbase)に15万ドル支払いへ
SEC(米証券取引委員会)元委員長ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏の公用端末データを誤って消去していたことが発覚し、コインベース側に和解金15万ドル(約2,450万円)を支払うことで合意した。
問題の発端は、コインベースが暗号資産規制に関する内部通信の開示を求めて起こした訴訟だ。同社は規制当局が暗号資産業界の金融アクセスを不当に制限していた証拠を追求していた。しかし、2023年9月にSECのIT部門がミスを犯し、ゲンスラー元委員長の端末が一時的に管理システムから外れた際、新導入された自動消去ルールが作動。
さらに復元作業にも失敗し、暗号資産の主要な取り締まりが行われていた約1年分(2022年10月〜2023年9月)のデータが完全に消失した。その後の監察官調査により、十分なバックアップや確認を怠った「回避できたはずの初歩的ミス」であったと断定されている。
自らルールを破る二重基準に強い批判
コインベースのポール・グレワル(Paul Grewal)CLO(最高法務責任者)は、SECの対応を痛烈に批判した。
SECはこれまで、顧客や社内通信の記録保存を怠ったとして金融機関に数億ドル規模の巨額罰金を科してきた経緯がある。それにもかかわらず、自らの重要公文書を過失で破棄した姿勢は「極めて強い二重基準」として業界の内外から批判を浴びた。
15万ドルの支払いと管理ルールの抜本改訂
今回の和解に伴い、SECは15万ドルの支払いに同意しただけでなく、文書管理体制の全面的な見直しを約束し、今後は端末データの自動削除を原則禁止とし、初期化を行う際には経営陣の承認を義務付けるなどの再発防止策を講じる。
政権交代に伴う訴訟取り下げなど、対立姿勢を強めていた暗号資産業界との関係改善を進めるSECにとって、自らの管理不備による今回の和解は、組織の信頼失墜を象徴する出来事となった。
























