国境を越えたデジタル金融市場の形成に向けて連携
米国と英国の財務当局は、規制対象のステーブルコインとトークン化された金融に関する共同声明と提言を発表した。
両国は規制上の違いによる市場の分断を避けながら、金融の安定性や利用者保護を確保し、国境を越えた決済や資本市場でのデジタル資産活用を促進する方針だ。
ステーブルコインの準備金と保有者保護を重視
米国と英国は、未来市場に関する大西洋横断タスクフォースを通じて、デジタル資産分野に関する4つの提言を公表した。両国は、適切に規制されたステーブルコインが、国境を越えた決済や清算、資本市場取引の効率化に役立つとの認識を共有している。
提言では、決済手段として利用されるステーブルコインについて、少なくとも1対1の比率で質の高い流動性資産によって裏付けることを求めた。また、準備資産を発行企業の資金から分離して管理し、保有者に対する適時の償還や法的権利を明確にする方針も示している。
発行企業が破産または再建手続きに入った場合には、保有者が準備資産に対して明確な法的権利を持ち、各国の法律に基づいて保護される仕組みを支持した。両国は、過度な参入障壁を設けず、同等のリスクや活動には同等の規制成果を適用することで、市場の歪みや国境を越えた競争の阻害を避ける考えだ。
トークン化資産の国境利用と規制協力を推進
今回の提言では、ステーブルコインに加えて、トークン化された預金や債券などの金融資産も重点分野に位置づけられた。
両国は、トークン化された資産の国境を越えた利用事例を検証するため、民間主導のグループの設置を検討するよう勧告した。また、イングランド銀行、FCA(金融行動監視機構)、SEC(米国証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)などの規制当局に対し、規制上のアプローチを連携させるよう促している。
両政府は、規制の整合によって安全な金融イノベーションを支え、米国と英国の金融市場間でデジタル資産を利用しやすい環境を整えることを目指す。
英国政府が支援する業界タスクフォースの報告書では、トークン化の普及が進んだ場合、2035年までに英国の年間経済生産高が最大440億ドル(約7兆円)増加する可能性が示された。同報告書は英国に対し、2027年第1四半期までにトークン化債券を発行し、ブロックチェーン上の金融取引を試験するよう求めている。























