英国投資家約1,700人がバイナンスを相手取り訴訟
英国の仮想通貨投資家約1,700人が、バイナンス(Binance)と同社共同創業者のジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏を相手取り、ロンドン高等裁判所に訴訟を起こした。
原告側は、英国の個人投資家向けに無許可で仮想通貨デリバティブ商品が提供・販売されたとして、少なくとも1億5,000万ポンド(約323億円)の損害賠償を求めている。
FCAの禁止措置後もアクセス可能だったと主張
訴訟は法律事務所KP Lawが提起したもので、被告にはバイナンス・ホールディングス、チャンポン・ジャオ氏、ネスト・エクスチェンジ、さらにバイナンス取引プラットフォームの一部を運営していたとされる身元不明の人物も含まれている。
主な争点は、英国の個人顧客に対するレバレッジトークン、先物契約、オプション取引、証拠金取引などの販売だ。原告側は、バイナンス側が2019年9月ごろから、FSMA(2000年金融サービス・市場法)に基づく認可を得ないまま、これらの商品を宣伝・販売していたと主張している。
FCA(英国金融行動監視機構)は2020年10月、規制対象外の仮想通貨に連動するデリバティブやETN(上場投資証券)について、個人投資家には不適切だと発表した。この禁止措置は2021年1月6日に発効している。KP Lawは、同措置の発効後も、英国顧客がこれらの商品へアクセスすることを防ぐ有効な障壁はなかったようだと説明している。
バイナンス側は訴訟で争う姿勢
原告側は、FSMA第19条や第21条への違反を主張し、商品に支払われた資金や発生した損失の回収を求めている。
原告の中には数万ポンド規模の損失を訴える者もおり、主導的な原告とされるトーマス・スタス(Tomas Sutas)氏については、投資額がゼロになる前にバイナンスのデリバティブ商品へ13万2,400ドル(約2,000万円)超を投じていたと報じられている。
バイナンスは今回の訴えに対し、適切な法的手段を通じて主張に対抗する姿勢を示している。同社は、ユーザーに対する義務を履行し、適用される法律に従って事業を運営することに引き続き尽力すると述べた。一方で、係争中の訴訟については詳細なコメントを控えている。
今回の訴訟は、仮想通貨デリバティブをめぐる英国の規制対応が改めて問われる事例となる。英国では、FCA(英国金融行動監視機構)がバイナンス関連事業に対し、事前の書面による同意なしに規制対象活動を行うことは認められないと警告してきた。今後の初期段階では、英国裁判所の管轄権、FSMA(金融サービス市場法)違反とされる範囲、訴訟が裁判に進むことができるかどうかが焦点になる見通しだ。























