米国がイラン関連仮想通貨約10億ドルを押収と発表

米国とイランの国旗、USDTコイン、鍵、ハンマー、イランの地図を配置し、仮想通貨資産の押収と制裁強化を表現したアイキャッチ画像

経済激怒作戦でデジタル資産への圧力を強化

スコット・ベッセント(Scott Bessent)米財務長官は、米国がイラン関連の仮想通貨資産約10億ドル(約1,596.6億円)相当を押収したと発表した。

New York Post『US Seizes $1 Billion in Iranian Crypto, Says Bessent(日本語訳:米国がイランの仮想通貨10億ドル相当を押収したとベセント氏が発表)』より動画引用

※動画は全編英語で放映されている事から、日本語訳が必要な場合は、画面右下に表示されている「字幕」アイコンをクリック。次に、右隣に表示されている「設定」をクリックし、表示されたメニューの中から、「字幕」⇒「自動翻訳」⇒「日本語」の順に設定する事で、大まかな日本語訳が表示されます。

今回の発言は、テヘランに対する金融圧力キャンペーン「経済激怒作戦」の一環として位置付けられている。同長官は、レーガン国家経済フォーラムで、米国当局がイラン関連の仮想通貨ウォレットを掌握し、約10億ドル相当の資産を押収したと述べた。同氏は、当局が「ウォレットをそのまま押収した」と説明したが、資産をどのように確保したかについての技術的な詳細は明らかにしていない。

この金額は、これまでに公表されていた押収額を大きく上回る。米国当局は4月下旬までに、イラン関連の仮想通貨資産の押収額が約5億ドル(約798億円)に達したと報告していた。以前の報道では、トロン(Tron)ブロックチェーン上で3億4,400万ドル(約549億円)相当のテザー(Tether/USDT)を凍結した大規模な措置も含まれている。

今回の約10億ドルという数字は、新たな単独の押収額ではなく、これまでに押収・凍結された資産の累計額とされる。同長官は、イランが圧力強化前に毎月4億~5億ドルを仮想通貨を通じて送金していたとも述べており、米国側は仮想通貨を利用した資金移動への監視と摘発を強化している。

制裁回避ネットワークへの対応が焦点に

「経済激怒作戦」は2025年3月に開始された。同長官によると、この作戦は仮想通貨の押収にとどまらず、銀行口座の凍結や、イラン関連資産の差し押さえに向けた欧州同盟国との連携も含み、米国は、イランの金融ルートや指導部とつながる資産を標的にしている。

米国側は、イランが石油販売や革命防衛隊の作戦資金を移動させるため、ステーブルコイン、とくにトロン上のUSDTを利用してきたとみている。米国側は、テザー社のような発行体やブロックチェーン分析企業と協力し、対象ウォレットの特定や無効化を進めているという。同長官は、金融制裁と軍事的圧力により、イラン経済が限界に近づいていると主張した。同氏は、インフレ率が200%を超えている可能性や、食料引換券の配布、インターネット遮断、軍兵士への給与未払いなどにも言及し、資金調達ルートの遮断が国内状況に影響しているとの見方を示した。

一方で、イラン側は新たなブロックチェーン活用も模索しているとされる。イラン革命防衛隊に近いメディアであるファルス通信の報道では、船舶向けのデジタル保険商品を提供し、支払いをビットコインで行う「ホルムズ・セーフ」と呼ばれる構想が検討されている。米国による仮想通貨資産の標的化が進む一方で、イランも従来の金融チャネルに依存しない収益手段を探っている構図が浮き彫りになっている。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム