残高チェックを5分間隔に短縮し取引所の内部統制を引き締め
韓国の金融当局は、Bithumb(ビッサム)で発生した大規模な誤配布事件を受け、仮想通貨取引所に対する監督体制を強化した。
FSC(金融サービス委員会)は、すべての取引所に対し、ユーザー残高とブロックチェーン上の資産保有状況を5分ごとに照合する新たなルールを導入した。
従来は24時間ごとの検証が一般的だったが、今回の措置により照合頻度は大幅に引き上げられる。ほぼリアルタイムに近い監査体制を整備し、運用ミスの早期検知と市場の信頼回復を図る。
大規模誤配布が浮き彫りにした管理体制の課題
規制強化の契機となったのは、2026年2月に発生したBithumbの運用ミスだ。プロモーションイベント中、本来韓国ウォンで支払われるはずの報酬が誤ってビットコインで配布され、約62万BTCがユーザーに付与された。
一部ユーザーが即座に売却したことで、プラットフォーム上の価格は一時10%から17%下落した。取引所は該当アカウントを凍結し、資産の大部分を回収したとされるが、この事案は内部検証体制の脆弱性を明確に示す結果となった。
当局の調査では、複数の主要取引所が残高照合を1日1回しか行っておらず、不一致発生時に取引を自動停止する仕組みも不十分であることが確認された。さらに、高リスク取引に対する多段階承認や口座分離といった基本的な統制が一部で欠けていたことも明らかになった。
5分監査ルールと新たな統制体制の導入
新たな規制では、取引所に対し、内部台帳とウォレット残高を5分間隔で照合する自動システムの導入が義務付けられる。不一致が一定の基準を超えた場合には、アラートとともに取引を自動停止する仕組みの整備も求められる。
監査体制も強化され、外部監査は四半期から月次へと短縮されるほか、照合結果の日次開示も必要となる。情報開示の内容には、資産ごとのブロックチェーン上の保有状況が含まれる。
さらに、プロモーション報酬などの高リスク業務には、第三者による相互検証や多段階承認の導入が求められる。加えて、専任のリスク管理責任者の配置やリスク管理委員会の設置など、金融機関に準じた統制体制の構築も義務化される。
今回の一連の措置は、業界団体DAXA(韓国デジタル資産取引所共同協議体)による自主規制の見直しや、今後施行予定のデジタル資産関連法にも反映される見通しだ。韓国の対応が他の法域にどのような影響を与えるかも注目される。
























