バイナンスCEOが1億5,000万ドルの賄賂を暴露もナイジェリア政府は否定
バイナンス(Binance)のリチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)は、脱税とマネーロンダリング(資金洗浄)容疑の解決とティグラン・ガンバリヤン氏の釈放を目的として、ナイジェリアのティヌブ政権が求めていた賄賂を明らかにしたが、それに対してナイジェリア政府は否定している事がわかった。
世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスは2024年5月7日(火曜日)、バイナンス幹部のティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏とナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)氏に対する法的手続きを逃れるため、ナイジェリア政府当局者らから1億5,000万ドル(約223億円)の賄賂を要求されたと発表。同CEOは、同取引所のアカウント内で秘密の支払いを仮想通貨で行うよう要求された事を明らかにしたうえで、次のように語った。
当社の従業員が会場を出ようとしたところ、見知らぬ人物が近づき、申し立ての解決として代金を支払うよう勧めてきました。バイナンスの弁護士は、これらの問題を解決するために、48時間以内に秘密裏に仮想通貨で多額の支払いを行うよう要求された。
ナイジェリア政府による反論
ナイジェリア政府はバイナンスの贈収賄主張に対して強く反論し、これらの主張には根拠がなく、仮想通貨会社による単なる策略であると主張している。
バイナンスは、一部のナイジェリア政府当局者が同社に対して提起された告訴を解決するために賄賂を要求したと主張。それにもかかわらず、モハメッド・イドリス(Mohammed Idris)情報・国家指向大臣は、これらの告発は虚偽であるとして却下。さらに、ラビウ・イブラヒム(Rabiu Ibrahim)大臣特別補佐官は8日(水曜日)の声明で、この主張を「陽動」と呼び、ナイジェリアのバイナンスに対する犯罪捜査を分かりにくくすることを目的とした脅迫だと反論。
ナイジェリア当局は、仮想通貨取引所に対する贈収賄容疑はナイジェリア当局の非合法化を目的とした国際的に組織された陰謀の一部であると主張し続けている。声明によると、米国で捜査と刑事訴追を受けているこの仮想通貨取引所が、根拠のない申し立てやメディアの中傷を利用してナイジェリアでの評判を清めようとしていると強調している。