コインベースが米国初の24時間年中無休先物を開始
米国の仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は、米国内で初めて24時間年中無休で取引可能なビットコイン(Bitcoin/BTC)およびイーサリアム(Ethereum/ETH)の先物商品を提供すると発表した。
この新サービスは、米国のCFTC(商品先物取引委員会)の規制の下で提供され、市場の拡大を目的としている。コインベース・デリバティブ(Coinbase Derivatives, LLC)は、米国のトレーダーが規制対象の仮想通貨先物契約に24時間アクセスできる環境を初めて提供する。従来、米国市場では週末や取引時間外には売買ができなかったが、新たな先物商品により、この制約が撤廃される。
米国の先物市場では、CME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)の仮想通貨先物が毎日1時間休止し、週末には取引が停止するなど、取引時間に制限があった。一方、国際的な取引所では既に24時間取引が一般的であり、コインベースはこのギャップを埋めることを目的としている。
コインベースは、CFTC規制の決済機関であるノーダルクリア(Nodal Clear)との提携により、安全な決済プロセスを確保する。これにより、機関投資家を含む幅広い層のトレーダーが市場にアクセスしやすくなる。
規制対応と市場の変化
CFTCの認可を受けたこの取り組みは、米国のデリバティブ市場を国際基準と調和させることを目的としている。
世界の仮想通貨取引の75%以上が国際市場で行われており、米国の投資家は長らく制約を受けてきた。
一方でコインベースは、契約満了のない永久型先物契約(Perpetual Futures)を導入する計画も進めている。この商品は、オフショア取引所で広く利用されているものと類似しつつ、米国の規制基準に準拠して設計されている。また、同社はCFTCや市場参加者と協力し、規制の枠組み内で取引インフラの安全性と透明性を強化している。これにより、米国の投資家も国際市場と同等の環境で取引が可能になる。
投資家にとってのメリットと今後の展望
コインベースの新たな先物取引は、投資家にとっていくつかのメリットをもたらす。
- 24時間取引の実現:市場の変動にリアルタイムで対応できる
- 流動性の向上:従来の固定取引時間の制限を解消
- リスク管理の強化:トレーダーが柔軟にヘッジ戦略を構築可能
米国市場の競争力強化
米国外の取引所ではすでに24時間取引が一般的だが、米国では取引の空き時間が存在しており、この差を埋めることで、市場競争力の強化が期待される。
また、コインベースは、CFTC、パートナー、市場参加者と協力し、永久型先物商品の設計を最終決定し、規制遵守を確保する取り組みを進めている。「トレーダーが自分たちの条件でリスクを管理し、仮想通貨のチャンスをつかむための必要なツールを提供する」という同社の方針に基づき、今後の市場成長を見据えた展開が進められている。
これらの動きにより、米国のトレーダーは国際市場の投資家と同等の競争環境を得られ、仮想通貨デリバティブ市場へのアクセスが大幅に向上することが見込まれる。