マネーロンダリング疑惑でバイナンスとCZは新たな訴訟へ
世界最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)とその元CEO、ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏は、シアトル連邦裁判所で新たな集団訴訟に直面している事がわかった。
バイナンスは最近、規制違反に対する制裁や有罪判決など、厳しい法的課題に直面。訴訟によると、ジャオ氏の指揮下でバイナンスは、マネーロンダリング(資金洗浄)を防止できず、米国の法律に違反し、3人の投資家に多大な経済的損失をもたらした。原告らは、悪質な行為者が盗んだ資金を取引所に流し込み、そのプラットフォームを利用して足跡や回収の可能性を隠したと訴えている。
ただし、法律専門家は、この訴訟は政府の行動後の一般的な戦術であり、彼らの主張を証明できるかどうか疑問視している。2024年8月16日(金曜日)、ワシントン州西部地区連邦地方裁判所(※シアトル)に提出された集団訴訟の訴状で、原告側は次のように主張している。
被告らは、マネーサービス事業として登録しなかったことを知りながら、効果的なマネーロンダリング防止プログラムを実施・維持しないことで銀行秘密法を故意に違反し、重要なKYC規則を無視し、米国市場から利益を得ようと計画的かつ計算された努力で米国の経済制裁に違反した。
バイナンスは仮想通貨洗浄帝国
この訴状では、被告らがこれらの重要な法律や規制を故意に無視したことにより、バイナンスが犯罪者、テロリスト、その他の悪質な行為者を引き寄せ、拠点となっている。
その結果、多数の悪質な行為者にとって好まれるようになったことも強調されており、訴状では、同取引所を「仮想通貨洗浄帝国」と表現。バイナンスの関与は、RICO法に違反する違法な組織犯罪に当たり、同取引所が関与していなければ、ブロックチェーンの透明性により、被害者は盗まれた資産を取り戻すチャンスが高まっていただろうとも付け加えた。原告らは、仮想通貨取引の重要な特性は、ブロックチェーン上に取引が永久に記録されることであり、それによって取引は「永久に、正確に追跡可能」になると述べたうえで、次のように主張している。
バイナンス のような仮想通貨をロンダリングする場所がなければ、悪意のある人物が他人の仮想通貨を盗んだ場合、当局が最終的にブロックチェーン上でその足跡をたどって追跡するリスクがある。
コンセンシスのビル・ヒューズ(Bill Hughes)弁護士は、今集団訴訟を“以前の政府の訴追と執行措置に基づく、自然で予測可能な後続の民事訴訟”と呼んだ。しかし、同氏は訴訟がその主張を証明できるかどうかについては懐疑的であり、次のように述べている。
この訴訟が証拠開示手続きにまで進み、決定的な公判前申し立てにまで至れば、ブロックチェーン分析自体とオンチェーン資産回収の有効性が試されることになるだろう。