ロシアの銀行がデジタルルーブル計画を遅らせる可能性が高い理由

ロシアのガスプロム銀行がデジタルルーブル開始を遅らせる事を提言

ロシア三大銀行の一つであるガスプロム銀行(Gazprombank)は、銀行の損失を最小限に抑え、金融システムにより多くの時間を割くた、段階的なデジタルルーブルへの移行を提案した事が分かった。

現地メディアの報道によると、ロシアのCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)デジタルルーブルのテストに参加している15のロシアの銀行の1つであるガスプロム銀行は、デジタルルーブルの開始は徐々に行われるべきであると提言。同銀行は、ロシアの中央銀行デジタル通貨の導入後の変化に金融システムが適応するには、さらに時間が必要であると考えている事を明らかにした。

ガスプロム銀行はデジタルルーブルの段階的導入を推進

大手コンサルティング会社Yakov&Partnersの調査によると、ロシアの銀行は、デジタルルーブルを導入した場合、導入後5年で2,500億ルーブル(約4,493億円)の損失を被る可能性があるという。

国有ガスエネルギー会社ガスプロム(Gazprom)の子会社であるガスプロム銀行は、デジタルルーブル導入による銀行の損失は最小限に抑えるべきだと主張。同銀行はデジタルルーブルの展開の重要性を認めているものの、デジタルルーブルの段階的な導入を提案しており、次のように語っている。

明らかに、銀行は何らかの形で損失を最小限に抑える必要があります。したがって、これらのリスクを考慮し、金融システムが適応するのに十分な時間を与えるため、徐々にデジタルルーブルの開始に向けて動くことが非常に重要です。

その理由について、購入手数料の削減は、最終消費者の価格低下よりも、小売業者の利益増加につながる可能性が高い事が指摘されている。ただし、同銀行は、デジタルルーブルの導入により、ロシアにおけるすべての金融取引の透明性が向上すると述べている。それは国の銀行システムと経済全体にプラスの影響を与えると予想されている。

CBDC プロジェクトは数年前から進行しており、デジタルルーブルのテストは2023年開始される予定だが、その間、同銀行を含む15のロシア主要銀行で予備テストが進行中である。ロシア中央銀行と財務省は2022年、国際決済で仮想通貨を使用することに合意。その目的は、ロシアと他の国との間の貿易をサポートすることである。なお、ロシアは、2022年2月下旬にロシアがウクライナに侵攻した後、同国は金融および貿易制裁に直面している。

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