銀行の信頼と仮想通貨の機動力を融合 OKXが担保ミラーリングをEEA全域に拡大
大手仮想通貨取引所OKXは、スタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered Bank)と共同で実施している担保ミラーリング・プログラムをEEA(欧州経済領域)全域に拡大した。
From wild to mild, speculation to utility, crypto is growing up.
Infact, our partnership with @StanChart brings greater assurance for institutions and clients alike with:
• Reduced counterparty risk
• Seamless exchange access
• Bank-grade custodyRooting for the future of… pic.twitter.com/N6IiSVBBpn
— OKX (@okx) October 16, 2025
仮想通貨は、荒々しいものから穏やかなものへ、投機的なものから実用的なものへと成長しています。実際、私たちとスタンダードチャータードは、以下の機能により、機関投資家と顧客の両方にさらなる安心をもたらします。
• 取引相手リスクの軽減
• シームレスな取引所へのアクセス
• 銀行レベルの保管 オンチェーン金融の未来を応援します。
これにより、機関投資家はグローバルシステム上重要な銀行(G-SIB)(※1)であるスタンダード・チャータードに資産を安全に保管しながら、OKX上で同資産を取引用にミラーリングできるようになる。銀行のカストディインフラと暗号市場の取引機能を組み合わせたこの仕組みは、カウンターパーティリスクを軽減し、欧州での機関投資家のデジタル資産取引をより安全に支えることが期待されている。
「グローバルなシステム上重要な銀行」のことで、FSB(金融安定理事会)が世界的な金融システムの安定に欠かせないと認定した銀行の事。
銀行×取引所が築く“信頼の橋”
OKXは、MiCA(仮想通貨市場)規制枠組みの下で事業を拡大しており、今回のプログラム拡大はその一環である。
担保ミラーリング・プログラムは、今年初めにアラブ首長国連邦で導入されたもので、機関投資家がスタンダード・チャータードにデジタル資産を預け入れ、同資産の残高をOKX上で反映させて取引に利用できる。これにより、銀行グレードの保管安全性を維持しながら、取引所流動性を活用した柔軟な運用が可能となる。
銀行の保管インフラを活用することで、取引所ウォレットへの依存を減らし、資産の安全性を高めつつ、ハッキングなどのリスクを軽減できる構造となっており、OKXヨーロッパのエラルド・グース(Eraldo Gus)ゼネラルマネージャーは次のように語っている。
このパートナーシップのEEA拡大は、欧州の機関投資家に高い安全性と信頼性を提供し、デジタル資産を伝統的金融の最高基準に整合させる一歩だ。また、これは単なる事業拡大ではなく、欧州におけるデジタル資産エコシステムの信頼基盤を築くステップだ。
規制と信頼が交差する欧州市場
この提携により、スタンダード・チャータードは暗号資産取引所と直接連携する初のG-SIBとなる。
同銀行のファイナンシング・証券サービス部門グローバル責任者マーガレット・ハーウッド=ジョーンズ(Margaret Harwood-Jones)氏は、「当行のカストディ・インフラとOKXの規制体制を組み合わせることで、欧州の機関投資家に最高水準のセキュリティとコンプライアンスを保証する」とコメント。規制と信頼を両立させたモデルとして、機関投資家の参入を後押しする構造となる。
MiCAライセンスを保有するOKXは、欧州市場への長期的コミットメントを示しており、透明性と法令遵守を軸にサービスを拡大している。担保ミラーリング・プログラムは、銀行カストディを維持しつつ取引所アクセスを提供する実務的モデルとして、欧州における機関参入を支える基盤となる見通しだ。
OKXは声明で「スタンダード・チャータードとの協業をEEAに拡大することで、顧客はグローバル規模で安全にデジタル資産を取引・保管できるようになる。これはより信頼性の高いエコシステム構築への次のステップだ」と述べた。両社の連携は、規制・信頼・イノベーションを三本柱に、欧州での機関投資家向けデジタル市場を新たな段階へと導いている。