クラーケンがCFTC認可取引所を買収
大手仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)は、CFTC(米国商品先物取引委員会)認可の小規模取引所を1億ドル(約150億円)で買収し、DCM(指定契約市場)ライセンスを取得した。
BOOM. Today, we launched Kraken Derivatives US, a CFTC-regulated crypto derivatives platform integrated directly into Kraken Pro.
This is a significant step forward in building unified, high-performance markets in the United States. Clients in Vermont, West Virginia, North…
— Arjun (Octariun) Sethi (@arjunsethi) July 16, 2025
ドカン!本日、Kraken Proに直接統合された、CFTC規制対象の仮想通貨デリバティブプラットフォーム「Kraken Derivatives US」をローンチしました。これは、米国における統合された高性能市場の構築に向けた大きな一歩です。バーモント州、ウェストバージニア州、ノースダコタ州、ミシシッピ州、ワシントンD.C.の…
Krakenは2025年10月16日(木曜日)、CFTC規制下のSmall ExchangeをIGグループから1億ドルで買収すると発表。この買収により、同社はDCMライセンスを取得し、米国ネイティブのデリバティブ取引の上場と清算ができるようになり、オフショア取引所への依存がなくなる。また、今回の買収は、同社の米国、英国、EU(欧州連合)を網羅するグローバルネットワーク拡大に向けた大きな足掛かりとなる事が期待されている。
この買収により、スポット、マージン、先物取引が統合されたシステムに統合され、米国を拠点とする主要仮想通貨取引所としては初めてのこととなった。Krakenのアルジュン・セティ(Arjun Sethi)共同CEO(最高経営責任者)は発表に際して次のように語っている。
スポット、先物、マージン商品が単一の規制対象流動性システムに接続され、分散化が低減し、資金調達のレイテンシーが短縮されるとともに、これまで主にオフショアで提供されていたようなアクセスとパフォーマンスがオンショアで実現します。CFTCの監督下において、Krakenはクリアリング、リスク管理、マッチングを、世界最大の取引所と同じ基準を満たす単一の環境に統合できるようになります。
この新しいライセンスにより同社は、清算とリスクを社内で管理できるようになり、機関投資家の業務効率化か可能になるとともに、米国を拠点とする新たなデリバティブ商品への道を開く。
グローバルインフラの拡大
Krakenの米国デリバティブ市場への参入は、一連の重要なグローバル買収に続くもので、2019年には、FCA(金融行動監視機構)の規制下にある英国を拠点とするデリバティブ会社、Crypto Facilitiesを買収した。
また、2025年初頭にはNinjaTraderも買収し、統合インターフェースを通じて米国のユーザーにCME上場の仮想通貨先物へのアクセスを提供している。同社はこれらの買収により、英国、EU、米国にまたがる多地域取引ネットワークが構築され、市場全体で担保とエクスポージャーをリアルタイムで管理できるようになる。7月には新たな規制対象仮想通貨デリバティブ機能を開始し、米国の顧客に初めて先物取引へのアクセスを提供。10月にはこれらのサービスを拡大し、株式、外国為替指数、原油や金などのコモディティを含む契約を取り扱っている。
2011年に設立されたKrakenは、現在、世界中で1,500万人以上のユーザーにサービスを提供。デジタル商品と従来型商品の両方を含む450種類以上の資産をサポートしている。同取引所は、今回の買収は短期的な誇大宣伝を追うのではなく、「より良い市場構造を構築する」という目標に沿ったものだと述べている。