カザフスタンが最大3億ドルの仮想通貨投資を検討
NBK(カザフスタン国立銀行)は、仮想通貨へ最大3億ドル(約466.5億円)の投資を検討している事がわかった。
カザフスタンの中央銀行であるNBKは、仮想通貨の購入に最大3億ドルを費やす用意があると、ティムール・スレイメノフ(Timur Suleimenov)総裁が報道陣に発表。最大3億ドルと設定しているものの、実際の投資額は5,000万ドルから2億5,000万ドル(約78億円~388.7億円)の範囲となる可能性が高い。
同総裁は、この資金は中央銀行の金準備と外貨準備から調達され、国の国家基金からは調達されないと明言。銀行が既にこれらの準備金の中から、ハイテク株やデジタル資産関連金融商品を含む別のポートフォリオを構築していると説明している。
この国家基金とは、中央銀行の政府口座にある金融資産と、国の社会的・経済的安定を確保するために用いられるその他の有形資産で構成されているものだ。
中央銀行の慎重な姿勢は市場の低迷が要因
最近の仮想通貨市場の暴落は、NBKが慎重な対応を取っている主な理由となっている。
11月に世界の仮想通貨時価総額は約5,000億ドル(約77.7兆円)減少。ビットコイン(Bitcoin/BTC)は17%下落し、11万ドル(約1,700万円)から約8万1,000ドル(約1,260万円)まで下落し、7カ月ぶりの安値を記録。この急激な変動を受けて同総裁は、中央銀行は市場環境が安定するまでこの分野に参入したくないと述べていた。
中央銀行はデジタル資産への投資に必要な法的および運用上の枠組みを構築したものの、強力な投資機会が現れるまで行動は起こさないと同総裁は主張。現環境下では収益性と長期収益化戦略を再評価する必要があるため、このプロセスは困難だと説明したうえで、中央銀行は状況を慎重に分析。混乱が収束するのを待ち、投資決定を急ぐことはないと述べている。
仮想通貨エコシステム拡大に進むカザフスタン
カザフスタンはデジタル経済への関与を深め続けており、9月には、人工知能・デジタル開発省がバイナンスの支援を受けて設立したAlem Crypto Fundが正式に運用を開始し、バイナンスのBNBトークンへの最初の投資を実施した。
同総裁は以前、最大10億ドル(約1,556億円)規模の国家仮想通貨ファンドの設立計画も発表しており、仮想通貨ETF(上場投資信託)と仮想通貨関連企業の株式を通じて、ゆっくりと投資する予定だ。
























