米国議員が身代金開示法を導入
エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)民主党上院議員とデボラ・ロス(Deborah Ross)民主党議員は、ランサムウェア攻撃における仮想通貨の役割を分析するため、身代金開示法を導入したことが明らかになった。
今回導入された身代金開示法は、DHA(米国国土安全保障省)が仮想通貨と法定通貨での身代金支払いに関する、重要データの収集支援を目的としている。合法的な目的と違法な目的の両方で、仮想通貨がどのように利用されているのかを理解するという目的を果たすことで、仮想通貨の健全性につながると期待されており、ウォーレン上院議員は次のように語っている。
ランサムウェア攻撃は近年急増していますが、サイバー犯罪者を追跡するための重要なデータが不足しています。私たちが犯罪者を追跡するために協力をお願いいたします。
また、ウォレーン上院議員に対してロス議員は、次のように述べている。
ランサムウェア攻撃は国家安全保障、経済、および重要なインフラストラクチャーを脅かしています。しかしながら、被害者は攻撃や支払いを連邦当局に報告する必要がないため、これらのサイバー犯罪企業を理解し、これらの侵入に対抗するために必要な重要なデータが不足しています。身代金の要求額や支払額、使用する通貨の種類など、重要な報告要件を実装することで、ランサムウェア攻撃と戦う準備ができるでしょう。
身代金開示法導入によって期待されていること
身代金開示法では、身代金の被害者は、支払い日から48時間以内に身代金の支払いに関する情報を開示する必要があるため、早い段階で有益な情報が集められると期待されている。
個人に対する情報開示ができないため、国土安全保障省は、個人が身代金の支払いを自主的に報告するためのサイト構築の必要性を主張している。集められたランサムウェア攻撃に関するデータは、DHA長官が主導する仮想通貨とランサムウェア攻撃における役割との間の関係を見つけるための研究をサポートし、国のサイバーセキュリティを改善するために使用される。ランサムウェア攻撃の増加は特に米国で、巨額の損失と国民の困惑を招いている。
これに対してバイデン政権は、ランサムウェア攻撃を促進したとして、NEXTMONEYの特集記事「米・財務省、ランサムウェアの支払いを処理の疑いでSuexをSDNリスト入り」で報じているように、米国財務省によってチェコの仮想通貨取引所であるSuexをブラックリストに掲載した。
最近では1933年に制定された証券法改正を目的とした、2021年のデジタルトークンの明確化を求める法案が、パトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry)議員によって提案されたことも明らかになっている。この改正案では、仮想通貨取引所およびプロジェクトは、最大3年間当局に登録せずに仮想通貨トークンを提供できるなど、漸進(ぜんしん)的な内容となっている。