Visaと Yellow Cardが提携でアフリカでのステーブルコイン導入加速へ
クレジットカード大手のVisa(ビザ)は、アフリカのステーブルコイン決済プロバイダーYellow Card Financialと提携し、アフリカ20市場でステーブルコイン決済を統合すると大手メディアのブルームバーグが報じた。
Yellow Card🤝Visa
Yellow Card is teaming up with @Visa to enhance stablecoin settlement infrastructure in emerging markets. Together, we’ll make cross-border payments quicker and more efficient through the power of blockchain innovation.
Learn more: https://t.co/b1thwbrqLv pic.twitter.com/uyZAWbdQDj
— Yellow Card (@yellowcard_app) June 18, 2025
イエローカード🤝ビザイエローカードはビザ新興市場におけるステーブルコイン決済インフラの強化を目指します。ブロックチェーンイノベーションの力を活かし、クロスボーダー決済をより迅速かつ効率的に実現します。
Visaは、Yellow Card Financialと提携し、アフリカ大陸全体でのデジタル・ドルの導入を加速させていく計画だ。アフリカ経済が為替圧力に押されるなか、Visaはデジタル・ドルの流通経路として新たなパイプを構築させ、従来の決済手段から脱却し、スピード、レジリエンス(※回復力、耐久力、再起力)、アクセス性を重視したステーブルコイン・インフラへと移行している。
まずは2025年後半に非公開にて、1カ国で試験運用が開始され、2026年にはさらに拡大する予定だ。今回の提携により、Visa Directの既存ネットワークと、Yellow Cardがアフリカ全土およびCEMEA(中央ヨーロッパ・中東・アフリカ)地域の一部で保有するライセンスが統合され、ほぼ即時かつ低コストのステーブルコイン取引が可能になる。これは、現地通貨の変動とドル不足によって越境取引が停滞している市場において極めて重要なニーズとなる。
この動きは、2023年以降既に2億2,500万ドル(約327億円)以上のUSDC決済を処理しているVisaの既存のステーブルコイン・インフラを基盤としています。
ステーブルコインは従来の決済手段では対応できないギャップを埋める
両者の提携は、従来のインフラが長らく十分に機能していなかったアフリカ市場における“越境決済の近代化”という共通の目標を示している。
この提携は、2つの課題を同時に解決し、法人にとって、Visaのステーブルコイン決済ソリューションは365日間の流動性管理を提供し、銀行がドル送金の処理に3営業日かかることが多い市場を活性化させる。消費者にとって両社の統合は、従来の送金業者が最大8%の手数料を課すような国際送金においても、1ドル未満の送金を可能にする可能性があり、Yellow Cardのクリス・モーリス(Chris Maurice)CEO(最高経営責任者)は公式発表の中で次のようにコメント。
私たちは、従来の金融と資金移動の未来をつなぐ架け橋を築いています。今回の提携は財務業務の強化、流動性管理の改善、そしてより費用対効果の高い送金の実現に重点を置きます。
上記のように述べたものの、どの経済圏がこの取り組みを承認したかは明確にしていない。
すべての主要決済会社がステーブルコイン分野への参入方法を模索
アフリカで初めて認可されたステーブルコイン決済事業者となったYellow Cardは、仮想通貨取引所としても機能しており、2019年にナイジェリアでサービスを開始して以降、20カ国で事業を展開している。
Yellow Cardの既存インフラにより、Visaは成熟した仮想通貨回廊への即時アクセスが可能になる。アフリカおよび新興国における認可を受けたステーブルコイン決済オーケストレーターを自称するYellow Cardは、2019年以降、主にテザー(Tether/USDT)とUSDコイン(USDCoin/USDC)を通じて60億ドル(約8,722.5億円)以上の取引を処理してきた実績を誇る。ステーブルコインについて同CEOは、「すべての主要決済会社がこの分野への参入方法を模索している」と述べている。