エア・アラビアがステーブルコインでの決済を可能にする航空会社となる
中東・北アフリカ最大の格安航空会社エア・アラビア(Air Arabia)と、ポーランドのリテール・バンク(※小口の預金や貸出などを主に行う銀行)Mbank(エムバンク:アル・マリア・コミュニティ・バンク)は、提携することで合意し、乗客はAECウォレットアプリを通じてAEコインを使った航空券の支払いが可能になる。
エア・アラビアは、UAE規制下でAED(UAEディルハム、UAEアラブ首長国連邦およびモロッコの法定通貨)に裏付けられたステーブルコイン「AEコイン」を使った航空券予約に対応。これにより、エア・アラビアは、この地域で唯一ステーブルコインでの決済を可能にする航空会社となり、旅行者はAEC ウォレットアプリを通じて安全、迅速、シームレスな旅行決済体験を楽しめる
UAE初ステーブルコインでシームレスな旅行決済を実現へ
AEコインは、UAEで初めてAEDに対応したステーブルコインで、UAEディルハムと1:1で交換できるため、価格の安定性と低コストが実現する。
エア・アラビアの利用者は、同社のウェブサイトで航空券を予約する際にAEコインで支払いでき、UAEが新技術の導入と近代的なデジタル経済の構築に注力している姿勢に完全に合致した展開だ。エア・アラビアのアデル・アル・アリ(Adel Al Ali)CEO(最高経営責任者)は、今決定は同社が最先端のデジタルサービスを提供しようとする姿勢の証だと指摘し、合併により、スムーズな体験と柔軟なフライトスケジュールの選択肢を提供できると述べている。
AECウォレットを通じた新たな決済オプションは、スマートソリューション導入に向けた当社の継続的な取り組みを反映。Mバンクのモハメド・ワシム・カヤタ(Mohammed Wassim Khayata)CEOも同様の見解で、エア・アラビアとの提携により、Mバンクは旅行者に安全かつ手頃なオンライン決済手段を提供できると述べている。カヤタCEOは、エア・アラビアの高い評判と広範な顧客基盤は、Mバンクの革新的なデジタル決済システムにとって理想的なパートナーであると主張。
AEDステーブルコインのゼネラルマネージャーであるラメズ・ラフィーク(Ramez Rafeek)氏は、この提携の重要性を強調し、AEコインをエア・アラビアのシステムに組み込むことで、旅行者の決済が簡素化され、今回の決定が、この地域の旅行業界におけるデジタル通貨利用のトレンドのきっかけとなるだろうと述べている。
今回の提携により、航空業界におけるデジタル決済が強化され、AEコインの導入は、エア・アラビアが顧客に最先端の決済ソリューションを提供するという目標の達成に貢献するとともに、UAEが目指す近代的でデジタルな金融環境の実現に重要な役割を果たすことになる。なお、Mbankは関連して、仮想通貨保管サービスを手掛けるChanger.aeとも提携し、エスクロー(取引保全)サービスを提供しており、UAEユーザーはディルハムとAEコインをシームレスに交換できる。