英国歳入関税庁が190万ドルの詐欺事件で初となる3つのNFTを押収

英国歳入関税庁が3つのNFTを押収

大手メディアの報道によると、HMRC(Her Majesty’s Revenue and Customs=英国歳入関税庁)は、疑わしい金銭活動の取り締まりで、3つのNFT(非代替性トークン)を押収したことが明らかになった。

HMRC は、250の偽造企業が関与したとされる付加価値税(VAT)詐欺の調査の一部として190万ドル(約2億2,000万円)の金融スキームを調査し、3つのNFTと約6,700ドル(約77万円)相当の仮想通貨を押収。没収されたデジタル資産やNFTは、資産としての押収されただけで、デジタル資産や収集品が犯罪の道具として使われたわけではないとのこと。

また、今回の押収で3名が逮捕され、約6,700ドル相当の仮想通貨が押収されたことは、英国の法執行機関が初めてNFTを押収した事例として注目を集めている。この事件で逮捕された容疑者は身元を隠すために、偽身分証明書や盗難証明書、偽の住所、仮想プライベートネットワーク(VPN)、他人の個人情報を盗んだり、プリペイド式の携帯電話を使うなど高度な方法を利用しており、HMRCで経済犯罪を担当する幹部は次のように述べている。

われわれが初めてNFTを押収したことは、デジタル資産を使ってお金を隠そうとする人々に対する警告になるでしょう。資産を隠そうとする犯罪者や脱税しようとする人々に対応できるように、常に新しい技術に適応していきます。


英国の仮想通貨関連犯罪被害者が増加

英国ではデジタル資産に関連する不正行為が増加傾向にあり、最近の報道によると、2021年1月から10月の間に同国内でそのような計画の報告が7,000件以上あったという。

この報告件数は2020年全体より30%多いことも明らかになっており、被害者から奪われた資金は約2億ドル(約230億円)に上っているとのこと。最近の被害事例では、匿名の英国居住者が、出会い系アプリで出会った女性を監禁した後、疑わしいアプリケーションにビットコイン(Bitcoin/BTC)投資をするように勧めたことで、20万ドル(約2,300万円)を騙し取っている事が発覚したばかりである。

HMRCは、被害者のうち50%以上が18歳~45歳までの個人であることを明らかにしており、若者はビットコインとNFTトークンを扱うボリューム層であることから、このような結果になっていると予想される。一方で、過去数カ月にわたり、多くの有名なミュージシャン、俳優、アスリートが独自のコレクションをリリースすることでこのニッチ産業に参入している。しかし、これらの有名人を悪用した仮想通貨詐欺も横行しており、仮想通貨投資の際には、プロジェクトの詳細などの確認が必要になるだろう。