コインベース(Coinbase)、S& P500に加わる初の仮想通貨企業に

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コインベースがS&P500に加わる

仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)が、米主要株価指数であるS&P500の構成銘柄に採用されることが決定した

仮想通貨関連企業がS&P500に加わるのは今回が初めてで、業界全体にとって歴史的な出来事となる。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、Capital Oneによる買収に伴い上場廃止となるDiscover Financial Servicesに代わり、コインベースをS&P500の構成銘柄に採用すると発表した。コインベースの組み入れは2025年5月19日(月曜日)の取引開始前に実施される予定で、市場にも同時に反映される。

この発表を受けて、コインベースの株価は時間外取引で8%上昇。時価総額は530億ドル(約7.8兆円)に達しており、株価は堅調に推移している。2021年末の高値357ドル(※現在レートで約52,600円)からは下落しているものの、5月時点では207.22ドル(約30,500円)と堅調に推移している。

S&P500に採用されるには、最新四半期で黒字を計上し、過去4四半期の累計利益がプラスであることが条件とされており、コインベースはこれをクリア。直近の決算では6,560万ドル(約97億円)の純利益を報告。前年同期の11億8,000万ドル(約1,739億円)からは大幅減益となったものの、採用基準を満たす結果に。また、売上高は前年同期の16億4,000万ドル(約2,416億円)から24%増の20億3,000万ドル(約2,990億円)へと拡大しており、継続的な成長が見て取れる。S&Pは近年、Dell(デル)やPalantir(パランティア)、Super Micro Computer(スーパーマイクロコンピューター)、CrowdStrike(クラウドストライク)など、テクノロジー企業の構成銘柄化も進めており、今回のコインベース採用もその流れに沿ったものといえる。

市場の反応と業界への波及効果

コインベースは仮想通貨デリバティブ取引所Deribit(デリビット)を29億ドル(約4,270億円)で買収することにも合意しており、これには7億ドル(約1,030億円)の現金とクラスA株式による支払いが含まれており、取引の完了時期は未定ながら、企業としての成長性が評価された形だ。

また、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格の上昇や複数の機関投資家によるビットコインETF(上場投資信託)の承認も、同社の影響力拡大を後押ししている。今回のS&P500入りは、仮想通貨業界全体の信頼性向上にもつながるとみられており、主要株価指数に採用されることで、より多くの機関投資家やファンドが関心を寄せる契機となる。コインベースは公式ブログで次のように述べている。

この指数への参加は、当社と業界がどれほど進歩したかを示すものであり、世界の方向性を示すシグナルでもあります。ここまで支えてくれた顧客、パートナー、開発者、従業員に深く感謝します。

コインベースと共和党との関係にも関心が集まっており、政界との連携が強まりつつある。今後の政策変化や法規制の動向によって、同社の立場がさらに変化する可能性もある。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム