カザフスタンで中央アジア初の現物型ビットコインETFが上場
カザフスタンのAIX(アスタナ国際取引所)は、中央アジアで初となる現物型(スポット)ビットコインETF「BETF(Fonte Bitcoin Exchange Traded Fund OEIC Plc)」の取引開始を発表した。
運用はカザフスタン拠点の投資会社Fonte Capitalが担当し、資産保管は米国の暗号資産カストディ企業BitGo Trust Companyが務める。BETFは現物のビットコインを裏付け資産として保有し、AIXで取引できる公募ファンドとして提供される。
安全性を重視した運用体制
BETFは、カザフスタンのAIFC(アスタナ国際金融センター)の規制枠組みに基づいて設計された。
保管を担当するBitGo Trustは、米国の信託会社として世界各国の機関投資家や取引所向けに仮想通貨カストディサービスを提供しており、今回のETFでも現物ビットコインの管理を行う。保管資産には最大2億5,000万ドル(約369億円)の保険が付与され、コールド保管などの対策によってハッキングや損失リスクの軽減を図っている。
投資家にとってのメリット
現物型ETFであるBETFは、保有するビットコインの市場価格に直接連動するため、投資家は仮想通貨を直接保有せずに価格変動へのエクスポージャーを得られる。AIXの規制下で取引が行われるため、透明性と安全性の高い環境で投資でき、秘密鍵管理や取引所口座の手配などの負担を投資家が負う必要がない点も特徴だ。
地域市場への影響と展望
AIXは、今回のBETF上場について「デジタル資産を投資業界の主流へと押し上げ、グローバル投資家と中央アジアの機会を結ぶ一歩になる」と強調している。
このETFはAIFCの下で構成された規制対象の公募ファンドであり、リテールを含む幅広い参加者がアクセス可能だ。今回の動きは、カザフスタンにおける仮想通貨関連商品の制度的整備と市場拡大の契機として注目されている。