ポーランド金融監督庁、Crypto.comを不正行為の疑いで警告

ポーランド金融監督庁がCrypto.comに警告

KNF(Polish Financial Supervision Authority:ポーランド金融監督庁)はポーランド国内にて無許可の不正な金融活動への懸念を理由に、マルタに拠点を置きCrypto.comブランドで事業を展開するForis DAX MTについて公的警告を発した。

KNFは、規制違反の可能性を理由にCrypto.comの運営について警告を発したが、現段階でこの警告は全面禁止ではないものの、プラットフォームに関連する潜在的なリスクについてポーランドの投資家に警告するものとなっている。KNF によると、ポーランドで仲介または投資サービスを提供する企業は、ポーランドの法律、金融商品取引法第178条に基づき、適切なライセンスを保有しなければならない。KNFは、Crypto.comの運営会社であるForis DAX MTによる潜在的な違反についてワルシャワ地方検察庁に通知した。

ブラックリストに載っていない

ポーランドのビットコイン(Bitcoin/BTC)擁護者であるトメク・コロジェチュク(Tomek Kolodziejczuk)氏は、国民に向けた警告は注目に値するが、KFNはCrypto.comをブラックリストに載せていないと明言している。

Crypto.com の広報担当者は、KNF が提起した規制上の懸念に対処するために、同社は法律顧問と協力していると主張。KNF の公開警告リストは、ポーランド国民に、無許可の金融活動に従事している可能性のある企業について通知するもので、現在リストには413の機関が含まれているが、取り上げられている最大の組織はCrypto.comとなっているのが現状だ。

なお、今後の措置は、ワルシャワ地方検察庁によるKNFの通知の審査次第である。

Crypto.comCEOが米国SECを提訴

一方で、Crypto.com のクリス・マルザレク(Kris Marszalek)CEO(最高経営責任者)は、規制の行き過ぎが何百万人もの米国の仮想通貨保有者に悪影響を及ぼしているとして、SEC(米国証券取引委員会)に対する訴訟を発表した。

日本語訳:
本日、Crypto.com米国における仮想通貨の将来を守るためにSECに対して訴訟を起こしました。

ポーランドは、仮想通貨の特定の側面を規制するための地域的な試みを実施しており、それらの事例の中には、他のものよりも懸念されるものもあるが、いずれも仮想資産クラスを正式に禁止していない。代わりに、同国は他国と同様の姿勢を取り、この分野を規制し、犯罪活動での使用を防止している。

その様な厳しい環境にもかかわらず、ポーランドの金融規制機関であるKNFは、仮想通貨投資で利益を得ようとしている消費者に対し、すべてを失う覚悟をするよう繰り返し警告している。KNFの懸念には、価格の変動性、提供される製品の複雑さ、多くの仮想通貨に関する消費者保護規制の欠如などが含まれる。KNF公式サイトによると、仮想通貨取引や取引所自体は法律で禁止されておらず、その取引は「ポーランド共和国の領土内では合法」となっている。