ロビンフッド、アプリ内仮想通貨送金をヨーロッパに導入

ロビンフッドがアプリ内仮想通貨送金をヨーロッパに導入

ロビンフッド(Robinhood)はヨーロッパでのサービスを拡大し、ユーザーは初めて20種類以上の仮想通貨をアプリから出し入れできるようにしたことが発表された。

このサービスはEU(欧州連合)すべての顧客が利用できるサービスであり、約2年前にEUで仮想通貨取引サービスを開始したものだ。同社の暗号ジェネラル・マネージャーであるヨハン・ケルブラット(Johann Kerbrat)氏は、規制環境の変化により、欧州市場は多くの可能性を秘めていると考えている。同氏はEUのMiCA(仮想通貨市場)規制を指摘し、次のように述べた。

対応可能な市場全体から見れば、EUは米国と同じくらいの規模だ。

また、期間限定で同社は、トークンをプラットフォームに送金するヨーロッパの顧客にインセンティブを提供しており、ユーザーは預けたトークンの価値の1%を暗号で受け取ることができるとのこと。

なお、以下の13銘柄がサービスから除外されている。
・リップル(Ripple/XRP)
・zkSync(ZK)
・ワームホール(Wormhole/W)
・アービトラム(Arbitrum/ARB)
・コスモス(Cosmos/ATOM)
・ポルカドット(Polkadot/DOT)
・イオス(Eos/EOS)
・ファントム(Fantom/FTM)
・ジュピター(Jupiter/JUP)
・ニアプロトコル(Near Protocol/NEAR)
・オプティミズム(Optimism/OP)
・セレスティア(Celestia/TIA)
・トンコイン(Toncoin/TON)

より複雑な状況の米国

米国での状況はより複雑であり、SECはコインベース(Coinbase)、バイナンス(Binance)、リップル(Ripple)のような大手仮想通貨会社を積極的にターゲットにしているのが現状だ。

そのため各社は、自社プラットフォームで取引されるトークンは、SEC(米国証券取引委員会)に登録が必要な証券の定義には該当しないと反発している。これに対して、同氏は米国における仮想通貨規制の現状に不満を抱いており、米国の規制のあり方に失望したとコメントしている。

一方、FREETRADEは2024年10月1日(火曜日)、オーストラリアの投資アプリStakeの英国の顧客基盤を買収すると発表しており、これにより、同社はロビンフッドと直接競合することになる。6月には、ルクセンブルクを拠点とする仮想通貨取引所ビットスタンプ(Bitstamp)買収計画を明らかにしており、この買収額は2億ドル(約293億円)で、ロビンフッドの世界的拡大を支援するものであった。ビットスタンプは英国、シンガポール、EUで50以上のライセンスを保有。米国連邦レベルでは、SECおよびFinra(金融取引業規制機構)によって規制されており、ニューヨーク州金融サービス局の BitLicense も保有している。

買収は2025年半ばまでに完了する予定を明らかにしていることから、ビットスタンプのインフラによって、ロビンフッドは機関投資家向けのサービスを拡大することが示唆されている。また、ビットスタンプはクリプト・アズ・ア・サービス製品を提供しており、銀行やその他の金融機関が独自のクリプト・サービスを立ち上げることができる。

現在、ロビンフッドの仮想通貨取引と送金サービスは英国の顧客には提供されておらず、昨年11月に英国で株式取引サービスを開始したが、仮想通貨取引についてはまだ示唆していない。