Coinbaseブロックチェーン追跡ツール「H-Index」を発表
大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)が、ネットワークの健全性を測定する方法を変える可能性のある動きとして、同社は「H-Index(Hインデックス)」というまったく新しい指標を提案した事がわかった。
従来、日々の取引などの指標は、ブロックチェーンの採用状況を測定するための聖杯であったが、これらはシビル攻撃などでみられるように、悪意を持つ者が偽アカウントを作成したり、ユーザーに無料トークンを大量に提供し(※エアドロップ)、アクティビティを膨らませることで簡単に操作された。その結果、実際のユーザーエンゲージメントが隠された歪んだ画像が生まれている。シビル攻撃では、複数の偽IDまたはノードを作成してネットワークを制御したり、ネットワークの運用に影響を与えたり、取引量などの指標を操作したりする。これらの攻撃は、ユーザー数や取引数を人為的に膨らませ、本物のアクティビティや採用状況という誤解を招く印象を与える可能性がある。同様に、エアドロップはトークンを配布してユーザーのエンゲージメントを促進することを目的としているが、慎重に管理しないと指標が膨らむ可能性がある。
プロジェクトはユーザーを引き付けるためにエアドロップを使用することがよくあるが、複数のアカウントを作成し、これらの景品を利用しようとする個人を引き付ける可能性があり、ブロックチェーンの採用を測定するために使用される指標をさらに歪めるものとなっている。
新たな戦略
ブロックチェーンアクティビティを評価するための便利なツールであるH-Indexは、アクティブなアドレスを単にカウントするのとは異なり、アドレスの数とそれらを使用する送信者の多様性の両方を考慮している。
例えば…、アドレスが100個あるが送信者が1人しかないネットワークは、ユーザーが互いに資金を送受信する多様なエコシステムを重視するため、H-Indexで高いスコアを獲得できない。
コインベースH-Index分析
コインベースの分析によると、ブロックチェーンの王者であるイーサリアム(Ethereum)が依然としてトップに君臨している。
しかし、ここで意外な展開があり、コインベース独自のイーサリアム用レイヤー2ソリューションであるBaseが、僅差の競争相手として浮上。これは偏見を呼ぶ可能性があるが、同時に、他のネットワークが適応し、革新して後れを取らないようにできるかどうかという試練も投げかけている。ただし、コインベースは、H-Indexが万能薬ではないことを認めており、異なるブロックチェーンアーキテクチャと大規模ウォレットの影響により、依然としてデータが歪む可能性があるとのことだ。