インドの中央銀行が個人投資家に仮想通貨の説明責任と安定性の欠如を警告

RBI公報による仮想通貨とDeFiに関する警告

インドの中央銀行にあたるRBI(インド準備銀行)の 2024年5月付け公報は、個人投資家に「仮想通貨エコシステムは説明責任と安定性を欠き、規制の曖昧さが特徴である」と警告している事がわかった。

RBIはまた、一部の仮想通貨システムは「安全策がなければ危機に陥りやすい」可能性があると警告した。RBIは、2024年5月21日(火曜日)、2024年5月の月次公報を発表。この公報では、金融システムにおけるDeFi(分散型金融)と仮想通貨の重大な影響と固有のリスクについて取り上げ、次のように語っている。

私たちの調査結果は、仮想通貨への関心が実際の経済取引の支払い手段ではなく、投機的な動機によって動かされていることを示唆している。仮想通貨エコシステムは説明責任と安定性を欠き、規制の曖昧さが特徴であるため、個人投資家はより慎重になる必要がある。一部の仮想通貨は裏付け資産によって裏付けられているかもしれないが、裏付け資産自体が透明性や中央銀行のバックアップのない別の不安定なデジタル資産である場合、安全策がなければ仮想通貨システムは危機に陥りやすい。


仮想通貨や民間仮想通貨は100%投機的活動を説明する流行りの言葉

同速報には、インド準備銀行シャクティカンタ・ダス(Shaktikanta Das)総裁の声明が掲載されており、仮想通貨や民間仮想通貨という用語を、「100%投機的な活動であるものを説明する流行りの言葉」と表現している。

インドには現在、仮想通貨に関する具体的な規制枠組みがない。2021年には、デジタル資産の規制を目的とした法案草案が政府委員会によって提案されたが、現在も保留中のままである。SEBI(インド証券取引委員会)は最近、仮想通貨に関する規制案を政府諮問委員会に提出。仮想通貨取引の特定の側面を異なる規制当局が管理することを提案すると同時に、RBIは、脱税と財政の安定性について、仮想通貨に関連するマクロ経済リスクを概説し、懸念を表明している。

FIU-IND(インド金融情報ユニット)は47の仮想通貨企業を監督しており、Binance(バイナンス)とKucoin(クーコイン)を仮想資産サービスプロバイダーとして正式に認定。さらに、インドの財務大臣は、G20協議にて包括的な仮想通貨規制の枠組みが形成されると予想している。