SECがスポットETFを正式に承認
SEC(米国証券取引委員会)は、スポットイーサリアムETFの迅速な立ち上げを承認した事がわかった。
2024年5月23日(木曜日)付けの提出書類によるとSECは、ARK 21Shares、Bitwise、BlackRock、Fidelity、Franklin Templeton、Grayscale、Invesco Galaxy、VanEckの8つのイーサリアムETFを承認。スポットイーサ ETFをNasdaq、Cboe BZX Exchange、NYSE Arcaの各取引所に上場および取引できるようにする規則の変更を承認し、市提出書類には次のように記載されている。
委員会は慎重に検討した結果、提案は証券取引法および国内証券取引所に適用される同法に基づく規則および規制に準拠していると判断した
これまでSECがイーサリアムを証券として分類するかどうかを調査しており、当NEXTMONEYの2024年5月21日付特集記事「SECがスポットイーサリアムETFの承認を再検討」でも報じたように、SECがスポットイーサリアムETFの承認を再検討しているという憶測が報じられた直後に承認された。
機関投資家がイーサリアムETFに5億ドルを投入
機関投資家は、SECの承認を受け、米国スポットイーサリアムETFに5億ドル(約785.4億円)を投入する準備ができていると報じられている。
この予測は大手仮想通貨取引所OKXによるもので、同社はこの承認の可能性の重要性を強調しており、同社のレニックス・ライ(Lennix Lai)グローバル最高商務責任者は、伝統的な枠組みの下でイーサリアムが取引されることの重要性を強調し、それが機関投資家による需要の次の波を引き起こす可能性があると考えている。
スポットイーサリアムETFの正式に取引にはS-1登録申告書にSECの承認を得るプロセスに直面
19b-4は承認されているが、スポットイーサリアムETFが正式に取引を開始するには、ETF発行者がそれぞれのS-1登録申告書にSECの承認を得なければならない。
そのため、イーサリアムETFは、証券上場のためにSECが義務付けているS-1登録申告書の確定と、SECとの複数回のコミュニケーションを通じて交換契約を締結するという、数週間に及ぶプロセスに直面している。
この動きにより、イーサリアム市場には相当な機関投資家の資金が流入すると予想されており、スタンダードチャータード銀行のデジタル資産調査責任者であるジェフ ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は、最初の12カ月で150億~450億ドル(約2.3兆円~7兆円)の流入を予測している。SEC の懸念に対処するため、Fidelity(フィデリティ)、Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)、Ark(アーク)、Invesco(インベスコ)、Grayscale(グレイスケール)、Bitwise(ビットワイズ)、VanEck(ヴァンエック)などのスポットETH ETF発行の可能性がある企業は、利回り目的で ETH を保有しないことを確認するために提出書類を更新した。
イーサリアムスポットETFの正式な取引には数日から数カ月かかる可能性
業界アナリストは、イーサリアムスポットETFの正式な取引には数日から数カ月かかる可能性があると指摘している。
SECは5月20日に申請者に19b-4の提出を早めるよう指示したと報じられており、当NEXTMONEYの2024年5月22日付特集記事「グレイスケールとフィデリティがETF計画からステーキングを削除」でも報じているように、ステーキングの削除は、複数の提出書類の中で最も注目すべき修正点となっている。
SECの承認は、多くの人が暗号通貨業界に規制の明確化をもたらすと考えている法案に米国下院議員が賛成票を投じた翌日に行われている。「米国下院、超党派の支持を得て画期的なFIT21仮想通貨法案を可決」で報じたように、FIT21(21世紀金融イノベーション・テクノロジー)法案は、SECとCFTC(商品先物取引委員)の役割を明確にするが、上院で可決され、法律として署名される必要がある。