需要の高まりでCFTC委員長が仮想通貨法案可決を議会に要請
CFTC(商品先物取引委員)議長は、デジタル資産価値が増大する中、投資家を保護し金融市場を安定させるため、仮想通貨規制を議会に要請した事が分かった。
CFTCのロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)委員長は議員らへの最近の演説で、急成長する仮想通貨市場を規制する立法措置の重要性を強調。ビットコイン(Bitcoin/BTC)などのデジタル資産価値が大幅に上昇する中、同委員長は仮想通貨関連の執行措置の急増によるCFTCのリソースへの負担を強調し、Financial Innovation and Technology for the 21st Century Act (21世紀金融イノベーション・テクノロジー法)の可決を主張している。
同委員長は下院農業委員会での証言の際、2023会計年度におけるCFTCの執行措置の49%以上がデジタル資産に関連していたと言及。このオークションの増加は市場の成長と仮想通貨の価値上昇の一部であり、これを個人投資家への警告とみなしている。CFTC議長が要求している規制構造は、金融市場の安定を確保するだけでなく、米国の投資家を保護することを目的としている。提案された法案は、デジタル資産に対するCFTCの監視を強化し、デジタル資産を有価証券から商品に移行するためのより明確な方法を提供することを目的としている。21世紀金融イノベーション・テクノロジー法は議会での抵抗に見舞われることが予想されているものの、同委員長はこの枠組みの必要性について楽観的で、法案が進めばCFTCは1年以内に施行できるとしている。
仮想通貨規制の課題
規制に向けた動きに対して一部の議員は法案の提出時期や、仮想通貨業界における集中型システムと分散型システムの定義を巡る意見の相違を懸念している。
この混乱は、3年間で時価総額2兆ドル(約297.5兆円)の損失を見た仮想通貨市場の不安定性と相まり、なぜ石油や小麦などの伝統的な商品ではなく仮想通貨の規制にリソースが向けられるのか疑問を引き起こしている。さらに、ビットコインは商品であるという同委員長の主張は、規制当局がこの問題について合意に達していないため、議論を引き起こしている。SEC(米国証券取引委員会)がさまざまなシグナルを送っているにもかかわらず、同委員長は商品としての分類を繰り返しており、議論はまとまっていない。
規制の進む道
ベーナム委員長の証言は、仮想通貨市場とそれを監督する使命を負った規制当局にとって重要な岐路にあることを浮き彫りにしている。
立法措置を求める声は、仮想通貨市場の成長と、それが投資家やより広範な金融エコシステムに与える影響を認識することによって推進されている。CFTC がリソースのかなりの部分を仮想通貨の執行に充てることに取り組むなか、デジタル資産の進化する状況に適応できる規制枠組みの必要性がますます求められている。デジタル資産の注目が高まるにつれ、市場の安定性を確保し、投資家を保護する規制当局の役割が最も重要になる。