イーロン・マスク氏のX、「あらゆるものをアプリ化する」構想の一環で投資・取引機能を近日提供開始

Xが決済・投資機能を提供開始

イーロン・マスク(Elon Musk)氏は、Xをスーパーアプリへと一歩前進させようとしており、仮想通貨・株式投資プラットフォームロビンフッド(Robinhood)に対抗すべく、アプリ内投資・取引機能の導入を予告した。

人気SNSとしての地位に甘んじるのではなく、Xはまもなくアプリ内取引と投資機能を提供する予定だ。マスク氏が金融サービスにおけるロビンフッドの優位性に対抗すべく今発表により、Xはスーパーアプリ化という目標に一歩近づいたと言える。

Xのリンダ・ヤッカリーノ(Linda Yaccarino)CEO(最高経営責任者)は、フィナンシャル・タイムズによる最新インタビューで、マスク氏がプラットフォームを本格的な金融・ソーシャルエコシステムへと変革する計画を進める中で、投資・取引機能を展開する予定だと語った。また、SNSだけでなく、あらゆる金融ツールを1つのアプリに統合することが目標に掲げている事を明らかにしたうえで、次のように語った。

Xを利用すれば、あらゆる金融取引をプラットフォーム上で行うことができるようになります。昨晩一緒に食べたピザの代金を払うことも、投資や取引を行うことも、すべてこのプラットフォーム上で行えるようになる、それが未来だ。

マスク氏は、当NEXTMONEYの2025年5月27日付特集記事「イーロン・マスク氏、2025年のローンチに先立ち「X Money」ベータテスト開始を発表」で報じたように、Visaとの提携により、ピアツーピアのデジタルウォレットサービス「X Money」を近日中に開始することを確認。この機能により、ユーザーはデビットカードをデジタルウォレットに連携でき、当初は厳重な管理下での展開となり、個人の貯蓄保護に重点が置かれるという。

今回報じられた新サービスでXユーザーは、追加の統合なしでプラットフォーム上で取引や幅広い投資ができるようになるという。

Xをスーパーアプリへ

金融サービス以外にもマスク氏は、Xのスーパーアプリ構想を推進するため、さまざまなサービスを展開している。

マスク氏は、Rustとビットコイン級の機能を備えたXChatを予告し、プラットフォーム上のメッセージングに革命をもたらした。スーパーアプリの基盤を築くため、Xはプラットフォーム上のボットやその他の違法行為を取り締まっている。Pump.funとその創設者を含む複数の仮想通貨アカウントが、プラットフォーム違反の疑いで停止。しかし、Pump.funのXアカウントの停止措置は解除されたものの、複数のアカウントは依然として停止されたままだ。

なお、同CEOはこのサービスについて、まず米国で開始し、その後国際展開していく予定で、ユーザーはプラットフォーム上で直接、資産の保管、商品の購入、クリエイターへのチップの送金が可能になると述べ「現在存在しない、完全なコマースエコシステムと金融エコシステムが誕生するでしょう」と述べている。

イーロン・マスク氏、2025年のローンチに先立ち「X Money」ベータテスト開始を発表

2025.05.27