仮想通貨誕生以来初めての仮想通貨導入の減少
米国のブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)の最新調査によると、仮想通貨の誕生以来初めて世界的に減少した事が分かった。
世界154カ国における仮想通貨の使用と導入を調査した同調査は、2021年のピークから顕著な減少を示している。ただし、ひんちょな減少の中でも、アジアに絞ってみてみると、仮想通貨導入において世界のリードを維持しており、データには希望の兆しが見えている。
仮想通貨導入の最前線に立つアジア
インドは世界仮想通貨導入指数でトップの座を主張しており、ベトナム、フィリピン、ウクライナ、ケニアが僅差で続いている。
今回の調査で判明した上位10カ国のうち6カ国が中央アジア、南アジア、オセアニアの国々であることは注目に値する。なお、日本は同指数ランキングで18位となっている。これらのランキングにおけるアジア諸国の優位性は、世界の他地域では仮想通貨の採用が衰退しているにもかかわらず、この地域での仮想通貨の採用が加速していることを強調している。仮想通貨の採用が世界的に減少しているのは、長引く「仮想通貨の冬」に対応しており、過去1年間に仮想通貨市場が経験した大幅な価格下落も大きな影響を及ぼしている。
チェイナリシスより画像引用
回復の兆しはあるものの、仮想通貨普及は依然として過去最高には及ばず、仮想通貨市場は 2021年11月に最高値に達し、その後大幅に下落。ビットコイン(Bitcoin/BTC)は約2年前の最高値から62%急落している。インドのような低中所得国は、暴落後により力強い回復を示しており、これらの国は、2020年よりも高い導入率を維持している唯一のカテゴリーとなっている。
同報告書は、世界人口の約40%がこれら低中所得国に居住していることを強調しており、彼らのエスカレートする仮想通貨活動は、特に制度的導入が加速するにつれて、有望な軌道を予見する可能性がある。
仮想通貨法制に対するインドのスタンス
アジアの仮想通貨業界におけるリーダー的地位を考えると、デジタル資産に関するインドの政策決定は非常に重要で、G20議長としての任期中、世界的な仮想通貨規制を優先している。
インド財務省関係者らの報告によると、IMF(国際通貨基金)とFSB(金融安定理事会)が作成したG20報告書は、インドが今後数カ月以内に仮想通貨法案を完成させる指針となると予想されている。G20仮想通貨議論の主要なプレーヤーであるインド中央銀行は仮想通貨禁止に傾いているが、政府がこの勧告に耳を傾けるつもりの兆候はない。また、総合論文は、完全な禁止は実現不可能であるとみなしている。
インドは2022年に包括的な仮想通貨規制法案を保留したが、当局は同国が反マネーロンダリング(資金洗浄)規制と課税を導入していることを確認。インドはアジアでの導入をさらに推進する準備ができており、世界の仮想通貨コミュニティはインドの次の動きを注視している。対照的に、EU(欧州連合)など他の地域では、すでに重要な法律が制定されている。なお、27カ国のブロックは4月20日、仮想通貨とそのサービスプロバイダーに関する世界初の包括的な法案を承認している。