Bittrexが米国での事業を一時停止へ
米国の仮想通貨取引所であるBittrex(ビットトレックス)は、規制上のハードルのため、4月30日までに米国での業務を停止すると発表したことが明らかになった。
同取引所は、米国で事業を継続することは経済的に実行不可能であると述べ、欧州、カナダ、南米のトレーダーにサービスを提供する同社のBittrex Globalプラットフォームは影響を受けないままであると発表した。同取引所は声明の中で、顧客の資金は安全だが、4月30日までに引き出す必要があると述べ、同社のプラットフォームでの取引は4月14日まで継続されるとしている述べている。
Bittrexの決定は、ここ数カ月の米国による厳しい規制の監視の中で行われたものであり、監視強化の下で最も最近苦しんでいるのは、コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)などの取引所も同様で、Coinbaseは最近、SEC(米国証券取引委員会)からウェルズ・ノーティス(Wells Notice)通知(※1)を発行されている。
SECが企業・個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する公式文書の事。
CFTCはバイナンスCEOに愛して訴訟へ
CFTC(商品先物取引委員会)は、バイナンスのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)に対して訴訟を起こすと発表している。
Thank you everyone…. <3 ;( pic.twitter.com/kq8nTRT0Aj
— Richie Lai (@richiela) March 31, 2023
みんなありがとう….
CFTCは、同CEOが2019年以降、米国居住者に仮想通貨デリバティブの売買を許可したと主張。その際、CFTCは、そのようなサービスを提供する事業者はCFTCに登録されているはずだと説明しており、無許可で事業を行ったと述べている。Bittrexの共同設立者であるリッチー・ライ(Richie Lai)氏は、米国の規制環境が不均一な競争環境を作り出し、同国での9年以上の運営にもかかわらず、最終的に同社の運営に影響を与えたと述べたうえで、次のようにツイートしている。
現在の米国の規制と経済環境で事業を継続することは、経済的に不可能です。規制要件はしばしば不明確で、適切な議論や意見なしに施行されるため、競争環境が不均衡になります。米国で事業を行うことは、もはや実現不可能なのです。
規制当局の監視強化は、SECが仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)をステーキングプログラムによる証券の違法な提供・販売で訴えた問題で明らかになり、同取引所はSECと和解し、ステーキング・プログラムの停止と3,000万ドル(約40億円)の罰金を支払うことに合意している。
一方で、SECの現トップであるゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏は、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で起こる取引はすべて米国の管轄に属すると述べているほか、ほとんどの仮想通貨は証券であると述べている。このような背景から、異なる規制当局の間で共通の基準として採用された場合、この国の仮想通貨産業にとって潜在的に有害となる可能性があるとみられている。