SECがコインベース(Coinbase)はハウイーテストの解釈を誤解していると批判

SECがコインベース(Coinbase)を非難したうえで証券の管轄権を再確認

SEC(米国証券取引委員会)は、進行中の訴訟を放棄するために取引所が提示した主張を否定することで、コインベース(Coinbase)の最新の提出書類に対して返答し、証券法について同機関の管轄権を再確認し、コインベースがハウイー・テスト(Howey Test)を誤解していると説明し、この訴訟での「主要な質問原則」の使用を批判した事が分かった。

SECは、仮想通貨環境における規制当局の行動に対する取引所の批判に関するコインベースの最新の提出書類に返答。7月7日(金曜日)、キャサリン・ポーク・フェイラ(Katherine Polk Failla)判事に提出されたこの提出文書は、コインベースが無登録仲介業者と証券違反で取引所に対して起こしている訴訟を軽視するために提出した各声明を取り下げようとしている。

これに対する返答の中でSECは、証券訴訟に対する管轄権を再確認。コインベースに対する今法的措置は、1934年に民事法執行を通じて法的要件を行使する権限を議会から認可された後、「法的要件を執行する長年の権限の行使」の一部であると主張。この解釈は、SECには「デジタル資産交換を規制する権限」がないと宣言するコインベースの見解と矛盾している。さらにSECは、コインベースが公開会社になる前に上場決定するためにその基準を使用した後、現在ハウイー・テストの有効性を批判していると指摘した。

ハウイー・テストの解体と主要な質問の原則

SECは、コインベースが、“取引が証券法の対象となる投資契約”であるかどうかを分類するのに役立つ一連の考慮事項であるハウイー・テストの説明内容について誤った仮定することで、「何が投資契約を構成するかについて独自のテストを構築しようとしている」と宣言している。

SECにとって、資産が有価証券として適格であるためにコインベースが考慮している2つの要件、正式なコモンロー契約(※1)が含まれていなければならない事。この契約が存在するとしても二次市場での販売には適用されないという2つの要件は間違っている。SECは、議会の規制措置を行政機関に優先させる原則である重大質問原則の利用を批判し、次のように述べている。

設立以来、SECはその権限を行使して証券法違反を追及しており、同様の法執行を行っています。

(※1)コモン・ロー(common law)契約とは…
裁判所の判例の報告を積重ねた慣習法の法体系に属する判例法の事

しかし、SECは、2021年5月の議会公聴会でゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が「コインベースのような企業を規制する法的権限が欠けている」と認めて以降、同委員長が“十分な権限(がある)”と信じているとコメントするまで、同委員長の心変わりに対処できなかったのが実情だ。コインベースのポール・グレワル(Paul Grewal)CLO(最高人材・組織開発責任者)は、投資契約の構成要素に関するSECの解釈が法律に違反していると述べたうえで次のようにツイートしている。

日本語訳:
コインベースが訴訟の棄却に向けて動く意向を通知した後、私たちはSECが反対する理由を説明するために数日追加することに同意した。彼らは現在申請を行っているが、悲しいことに、状況はほぼ同じである。