FCAが仮想通貨ATM利用者に警告
FCA(Financial Conduct Authority:英国金融行動監視機構)は、仮想通貨ATMがオペレーターと連絡を取るための効果的な通信チャネルが存在しないことが多く、何か問題が発生した場合に資金を失う危険があると警告した事が分かった。
FCAは、英国で未登録の仮想通貨ATMの取り締まりを継続しており、英国全土で仮想通貨ATM設置されている疑いのある場所を訪問して検査している事を明らかにした。FCAによると、今回の訪問は他の法執行機関との連携作戦の一環とのこと。仮想通貨ATM は、人々がカードや現金を使ってさまざまな仮想通貨を売買できるようにする物理的な機械である。従来金融機関のATMとは異なり、銀行口座に接続されていないのが大きく異なる点である。代わりに、仮想通貨ATMは個人の仮想通貨ウォレットから仮想通貨を送受信する。仮想通貨ATMは、さまざまな仮想通貨のロゴを表示する看板によって識別できる場合があり、通常、小売店の敷地内に設置されている。FCA はコンビニ、ショッピングセンター、パブ、バー、レストラン、テイクアウト、美容院、理髪店に設置されている機械を確認し、破壊したとのこと。
なお、英国で仮想通貨ATMを使用すると、違法に動作する機械を使用していることになり、犯罪者にお金を渡している可能性がある。
オペレーターとのコミュニケーション方法がない仮想通貨ATM
FCAの法執行および市場監視の共同エグゼクティブディレクターであるスティーブ・スマート(Steve Smart)氏は次のように述べている。
英国で仮想通貨ATMを使用する場合、違法に動作する機械を使用していることになり、犯罪者にお金を渡している可能性がある。何か問題が起こった場合、あなたは保護されず、お金を失う可能性があります。発生した問題を解決するために機械のオペレーターに連絡できる可能性はほとんどありません。多くの場合、人々がオペレーターに連絡を取るための効果的なコミュニケーションチャネルが存在しません。私たちは引き続き一般の人々に警告し、未登録の仮想通貨ATM運営者に対して適切な執行措置を講じていきます。
FCAは消費者に対し、仮想通貨は規制されておらず、リスクが高いため、何か問題が発生した場合に人々が保護される可能性は非常に低いことを定期的に警告している。英国の仮想通貨取引きプロバイダーは FCA に登録し、英国のマネーロンダリング規制に準拠しなければならない。FCAが取り上げたある事件では、誰かが仮想通貨ATMに1,000ポンド(約18万円)を支払った後、市民相談窓口であるCitizens Adviceに連絡。機械で仮想通貨を購入しようとした後、機械は取引が成功しなかったと表示していたものの、資金は返還されなかったという。その利用者は。機械オペレーターに連絡もできず、最終的には資金返還もされていないという。なお、FCA による検査の後、その仮想通貨ATMは現在稼働していないといのことだ。