米国上院議員がマーク・ザッカーバーグに仮想通貨詐欺と戦う計画について質問

米国上院議員がマーク・ザッカーバーグ氏に仮想通貨詐欺について質問

仮想通貨詐欺は、法律守護者にとり、常に頭の痛い問題であり、常々答えを求めており、調査の一環として、米国上院議員が世界で16番目に裕福な人物であるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏に対し、仮想通貨詐欺と戦う計画について書簡にて質問したことが分かった。

米・ニュージャージー州のボブ・メネンデス(Bob Menendez)民主党上院議員は、仮想通貨詐欺に対抗するためのMeta社の手順について、同社のザッカーバーグCEO(最高経営責任者)に質問。海外メディアの報道によると同議員は、同社のプラットフォームが詐欺師にとって肥沃(ひよく)な土壌であると主張しており、仮想通貨詐欺に対し、どのように対処しているのか、詳細を求めているとのこと。

メネンデス議員が率いる上院議員グループには、銀行委員会の委員長であるオハイオ州のシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)氏、マサチューセッツ州のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)氏、カリフォルニア州のダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)氏、バーモント州のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)氏、ニュージャージー州のコリー・ブッカー(Cory Booker)氏が参加しているとのこと。

なお、Metaのサイトのいくつかは、ソーシャルメディア全体で仮想通貨詐欺が蔓延しているという事実にもかかわらず、詐欺師にとって特に人気の狩猟場である、と上院議員は述べているとのこと。

仮想通貨詐欺はInstagramがトップか

仮想通貨ユーザーが騙されたと報告したうちの約32%が、不正行為はInstagramで発生したと述べており、次にFacebookの26%、WhatsApp9%が続いている。

同議員らは、2018年6月のFTC(Federal Trade Commission=連邦取引委員会)の報告書を引用し、ソーシャル メディアと仮想通貨を「爆発的な詐欺の組み合わせ」と表現している。同レポートによると、ソーシャルメディアプラットフォームは、2021 年に発生した10億ドル(約1,434億円)に上る仮想通貨関連詐欺の約半分のソースであり、その大部分は投資に関係していたとのこと。この件について同上院議員らは、Metaに対して書簡の中で上院議員のグループは仮想通貨詐欺に関する警告または教材を英語以外の言語で提供しているかどうかについて質問したほか、次のように述べている。

他のソーシャル メディア プラットフォームやアプリでの最近の詐欺の申し立てに基づいて、Meta が消費者に深刻な損害を与えるビットコイン詐欺の繁殖地を提供しているのではないかと懸念しています。

また、上院議員らの質問に対してMetaのアンディ・ストーン(Andy Stone)代表は次のように語っている。

詐欺は会社のポリシーに違反し、ビジネスに損害を与える。したがって、詐欺を検出して防止するためにかなりのリソースを投資します。


詐欺師に10億ドルを奪われる

2022年6月にFTCによって発行されたレポートによると、2021年以降、46,000人を超える人々が10億ドル以上の仮想通貨を、ロマンス詐欺やフィッシング詐欺などの詐欺師に奪われたと報告している。

FTC によると、詐欺被害に遭った仮想通貨銘柄は、ビットコイン(Bitcoin.BTC)が70%、テザー(Tether/USDT)10%、イーサリアム(Ethereum/ETH)9%が詐欺師で使用されたトップ3でした。ソーシャルメディアから広がりを見せたで詐欺による被害額が報告されている10ドルのうち4ドル近くが仮想通貨であり、他のどの支払い方法よりもはるかに多く発生しているとのこと。さらに、同レポートによると詐欺に利用された主要プラットフォームはInstagramが32%、Facebook 26%、WhatsApp9%、Telegram7%の順となっている。

ただし、メタだけが仮想通貨詐欺が一般的な場所ではなく、日本でも利用者が多いTwitter には、仮想通貨詐欺やボットに関する苦情も多数寄せられている。

9月8日(木曜日)付の同書簡は、10月24日(月曜日)までに一連の質問に対して詳細な情報を書面で提供することを要求。この要求には、ソーシャルメディアから仮想通貨詐欺師を見つけて削除するためのMetaの現ポリシー、仮想通貨関連広告が詐欺ではないことを確認するための手順、プラットフォームから詐欺師を排除するための同社方針、詐欺師追跡のために同社が法執行機関とどのように協力しているかなどの質問が含まれているとのことだ。