タイSECが仮想通貨取引所Zipmexのコンプライアンス違反を警察に訴え

タイSECがコンプライアンス違反でZipmexを警察に訴える

タイSEC(Securities and Exchange Commission Thailand=タイ証券取引委員会)は、シンガポール、タイ、インドネシア、オーストラリアで運営されているアジア太平洋で人気の仮想通貨取引所の1つであるZipmexに対し、コンプライアンス違反を理由に警察に正式な苦情を申し立てた事が分かった。

タイSECは声明の中で、当局は Zipmex のエクラルプ・イムウィライ(Eklarp Yimwilai)CEO(最高経営責任者)を技術犯罪調査本部に報告し、デジタル資産法に基づく違反としてタイ王立警察に登録されているとのこと。この法律に基づき、同社とその幹部は、顧客資産とデジタル資産の転送または引き出しに関する詳細を保存するため、使用される電子ウォレットに情報を送信するよう命じられたとのこと。

Zipmexは財政難に直面した後、引き出しを凍結

現在ZipmexとエクラルプCEOは、指定された時間内に当局に情報を提供しなかった責任を問われている。

これに対してSECはさらに、当局からの通知を受けて、情報の一部と不完全な情報のみが提出されたと述べているという。また、同社は関係者から要求された情報を提出しなかったことによる遅延の状況を含めることもできなかったとのことで当局は、同CEOに対し、これらの行為はコンプライアンス違反とみなされ、違反であり、デジタル資産法第 75 条に基づく罰則があると痛烈に批判している。

Zipmexでは最近、Babel Financeに対する1億ドル(約142億円)の資金損失に直面していたため、問題を抱えた仮想通貨貸し手であるBabel Financeによって引き起こされた財政難に直面している間、引き出しを凍結している。同社は、資金計画に取り組むため、シンガポール高等裁判所から、債権者から3カ月の保護を認められているとのことだ。なお、ブルームバーグの報道によると、Zipmex の一部株主および投資家は、同社株式の25%を所有する同CEOに対し、深刻な資金不足につながった経営上の決定を理由に辞任するよう求めているとのこと。