バイナンス(Binance)のスポット市場シェアが34%に低下

バイナンスのスポット市場シェアの低下

世界最大クラスの仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)のスポット(※1)市場シェアは7カ月連続で低下しており、前月にさらにスポット市場シェアを失ったことが分かった。

(※1)スポット市場とは…
最も基本的な投資の一種類で、他のユーザーと仮想通貨売買ができるサービスの事。

報道によると、同取引所のスポット市場シェアは7回連続で低下。CCDataのデータによると、同取引所のスポット市場シェアは2023年8月の38.5%から2023年9月には34.3%に低下した。CCDataは、取引プラットフォームが失ったスポット取引量が他の仮想通貨取引所に流れたと指摘しており、これらには、HTX(旧 Huobi)、OKXバイビット(Bybit)、ビットゲット(Bitget)、デジフェニックス(DigiFinex)などが含まれている。

バイナンスの取引高も低下

バイナンスの取引高も、2023年9月初旬以降、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の7日間取引高が57%減少し、デリバティブでは、プラットフォームの市場シェアは8月の53.5%から51.5%に低下している。

2023年8月初旬以降、約12,230BTC(約492億円)と約198,200イーサリアム(Ethereum/ETH)、つまり3億2,300万ドル(約481.7億円)が取引プラットフォームから差し止められている。同取引所のスポット市場シェア低下の主な理由の1つは、9月に終了した別の手数料ゼロのプロモーション活動によるものである。手数料ゼロのプロモーションは当初、プラットフォームでの取引活動を促進するのに役立っていたが、手数料ゼロのプロモーションが停止されて以降、投資家は他の取引所を求めており、CCDataの調査アナリストであるジェイコブ・ジョセフ(Jacob Joseph)氏は次のように語っている。

人気取引ペアの手数料ゼロ取引プロモーションの停止と、取引所に対する規制上の監視に対する懸念がこの下落の一因となっている。

バイナンスの手数料無料プロモーションは2023年9月に終了。手数料無料プロモーションの停止は、9月の同プラットフォームのビットコイン取引量の減少に原因があるのではないかと考えられている。9月7日、プラットフォームはユーザーがビットコインとトゥルーUSD(TrueUSD/TUSD)ステーブルコインの間で自由に取引できるプロモーションを中止し、プラットフォーム上の市場シェアと取引量の減少につながった。

プラットフォームの 7 日間の平均ボリュームは、9月の第1週に26%減少。また、インセンティブの期限が切れて以降、この取引ペアのBTC/TrueUSDの7日間平均出来高は89%減少。さらに、3月にビットコイン仮想通貨ペア取引の手数料無料キャンペーンを終了した直後、全スポット取引に占める同プラットフォームのシェアは65%から58.8%に低下した。

しかしジョセフ氏は、バイナンスの取引量減少の主な理由は手数料ゼロキャンペーンの中止ではないと強調し、次のように述べている。

手数料ゼロ取引の終了が取引高減少の唯一の理由ではありません。取引所をめぐる現在の規制上の懸念がユーザーを他のプラットフォームに誘導した可能性があります。

スポット市場シェアの低下の背景には、取引所の法的トラブルも例外ではない。バイナンスとジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、米国SEC(米国証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員)から起こされた複数の訴訟に直面している。