香港、仮想通貨マネーロンダリング追跡ツールの開発と新デジタル資産政策

香港税関による仮想通貨取引追跡新ツールの開発

香港税関は、仮想通貨関連のマネーロンダリング(資金洗浄)追跡の新たなツールを開発と、2025年財新夏季サミットで財政長官によって、デジタル資産取引プラットフォームとステーブルコインのライセンス制度導入が明らかになった。

香港税関は、増加する仮想通貨関連のマネーロンダリングに対抗するため、香港大学と提携し、仮想通貨取引を追跡するための新たなツールを開発。当局は近年、総額90億香港ドル(約1,652億円)を超える疑わしい事案7件を明らかにしているとサウスチャイナ・モーニング・ポストは報じている。同税関のマリオ・ウォン・ホーイン(Mario Wong Ho-yin)情報調査担当副局長は2025年6月12日(木曜日)、この取り組みは、学界、金融セクター、そして国際法執行機関との協力を強化するための広範な戦略の一環であると述べている。

同メディアによると、2021年~2025年5月までに香港で報告された39件のマネーロンダリング事案のうち、7件は仮想通貨に関連。2024年の事件では、総額18億香港ドル(約330億円)に上る1,000件以上の不審な取引に関与した容疑者3人が逮捕され、そのうち7億6,000万香港ドル(約139.5億円)が仮想通貨プラットフォームを通じて処理されたという。

新たなデジタル資産政策を発表

香港は今年6月下旬、デジタル資産戦略に関する第2弾の政策声明を発表する予定であるとポール・チャン(Paul Chan:陳昊)財政長官が明らかにした。

この声明は、金融サービスとイノベーションの融合、そしてデジタル資産の実社会における応用シナリオの拡大に焦点を当てるという。このテーマは、2025年財新夏季サミットにて同政長官が明らかにしており、香港は既にデジタル資産取引プラットフォームとステーブルコインのライセンス制度を導入していることを改めて確認。

現在香港では、カストディサービスとOTC(Over The Counter:店頭取引)サービスに関する新たな規制も進められており、同財政長官は以前、SEC(米国証券取引委員会)がビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)パーペチュアル(※1)を皮切りに、プロ投資家向けの仮想資産デリバティブの検討を進めていると述べていた。

(※1)パーぺチュアル(perpetual)とは…
通常の先物取引とは異なり、無期限でポジションを保有し続けられる先物取引のこと

同財政長官は、香港が金融大国になるには、金融イノベーションこそが香港が勝利しなければならない分野であり、金融やクロスボーダー金融サービスを含む実体経済の発展をより良く支援するため、デジタル金融の活用法を探求することが不可欠だと主張している。

 

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