FINRAが採用の機会を提供
FINRA(Financial Industry Regulatory Authority=米国金融業規制機構)は、仮想通貨を理解し、監視するため、リソースを増やす計画を発表したことが明らかになった。
FINRAは、Crypto.com、Robinhood、Coinbase、Gemini、BlockFiなどの大手仮想通貨取引所による大規模なレイオフ(※人員削減)を受け、解雇された元仮想通貨業界の労働者を雇う意思を示したとのことだ。
現在のデジタル通貨市場は非常に不安定であり、大規模なレイオフを行う企業が多発している中で、FINRAのような金融規制当局は、できるだけ多くの失業者を雇用するために歩み寄ることにしたとのこと。というのも、仮想通貨市場の暴落を受け、米国最大の仮想通貨交換プラットフォームの1つであるCoinbaseは、従業員のほぼ5分の1(約1,100人)の解雇をメールで発表したほか、仮想通貨取引所Geminiも、スタッフの10%を解雇するなど、クリプトウィンターの影響をもろに受けている。
採用の拡大はFINRAにとって論理的な次のステップ
仮想通貨市場の暴落は、エコシステムで最も重要で多額の投資を行ったいくつかのプロジェクトに予期せぬ損失をもたらし、多くの仮想通貨プラットフォームが数百万ドルの損失に直面している。
FINRAのロバート・クック(Robert Cook)CEO(最高経営責任者)は、大手メディアのロイターの取材の中で、FINRAは仮想通貨市場に参加しなければならないと述べており、組織はすでに仮想通貨を取引するために十分なメンバーを抱えている。そのため、仮想通貨の専門家を雇うことはFINRAにとって次の論理的なステップであると考えられている。また、同氏によると、知識豊富な人材への需要が高く、仮想通貨分野で訓練を受けた従業員の数を拡大することが、組織の考えとのこと。民間の規制機関は現在、いくつかのブロックチェーン上でクロスマーケット監視とデジタル資産の検証を構築しており、これはビットコイン市場から人を雇うことでそのプロセスを加速させることができると考えられている。
同機関は現在、3,600人以上の従業員を抱えているとされ、FINRAに登録または提携している企業は、クライアントに代わって株式や仮想通貨取引を行うことが許可されているとのこと。その一方で、NEXTMONEYの特集記事「Binanceは他の仮想通貨企業がレイオフの間に2,000人の雇用を開始」で報じたように、Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、同社が2,000人以上の雇用に前向きであることを発表。さらに「Kraken CEOは、「不幸な」従業員にコミットまたは離脱を促す」でも報じているように、Krakenも同じ動きをしており、新たな人員を採用中とのこと。