三井物産が仮想通貨ZipangCoinを発行へ
日本の大手総合商社である三井物産は、金に固定された仮想通貨を円価格で立ち上げる計画をしていることをNIKKEI ASIAによる報道で明らかになった。
三井物産とLME(London Metal Exchange=ロンドン金属取引所)は、日本で最初の金に固定された仮想通貨「ジパングコイン(ZipangCoin/ZPG)」をリリースする予定だ。提案されたZPGは、他の取引プラットフォームに展開する前に、三井物産の仮想通貨取引所を通じて提供され、1つのZPGの価値は、三井住友銀行が支援し、個人投資家が利用できる金1グラムの価値に相当するとのこと。
ZPGは、インフレヘッジといった金現物と同等の資産特性や投資特性を備えながら、金現物にはない小口決済としての機能も備えた新たな通貨となると期待されている。
早ければ2022年2月中にもZPGリリースへ
ZPGリリース予定の発表に伴い、三井物産はセブン銀行と提携し、仮想通貨取引プラットフォームを立ち上げ、日本金融庁の承認を受けて関東地方金融局に取引所を登録した。
さらに、ZPGは金融リスクを軽減し、インフレをヘッジすることを目的としており、ネットワークに参加するユーザーをプライベートブロックチェーン上で制御する仕組みになっている。早ければ2月に金ベースのデジタル通貨をリリースする予定を明らかにしており、トレーディングハウスは、投資機会として機能するだけでなく、モバイルアプリケーションを介して利用される支払いオプションとしてZPGを展開することも計画している。
実際、三井物産は以前から仮想通貨のリリースに興味を示しており、業界の情報筋の間でも、三井物産が仮想通貨をリリースするのではないかとの噂があった。NEXTMONEYの2021年11月25日付特集記事「ローンチデジタル通貨をテストする日本企業のコンソーシアム」で報じたように、三井物産は2021年、三菱UFJが率いる74社からなるコンソーシアムに参加しており、銀行預金で裏付けられた円ベースのデジタル通貨であるDCJPYの試用を発表するなど、日本の他の金融機関に加わり、ステーブルコインの展開に注力している。
一方で、日本では金融庁がステーブルコインの規制に沿って新しい法律を導入する計画を発表しており、ステーブルコイン取引を行うウォレットプロバイダーを監督する予定とのこと。そのためプロバイダーは、マネーロンダリング(資金洗浄)などの悪意を持った取引や疑わしい活動の報告、ユーザーの身元の確認など、特定のセキュリティ対策を順守する必要があるとのこと。