ヴィタリック・ブテリン氏がイーサリアムが速くならない理由を解説

ヴィタリック・ブテリン氏の考えるネットワークスピード

ビットコイン(Bitcoin/BTC)に続く時価総額、人気ともに2位をキープし続けているイーサリアム(Ethereum/ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、イーサリアムネットワークがそれほど速くならない理由を説明した。

ブテリン氏は、イーサリアムが現在よりもはるかに速くなることはないかもしれないと述べており、ブロック時間の短縮は安全性と分散化との必要なトレードオフによって制約されていると説明した。

同氏は、イーサリアムブロックチェーンが速くなる可能性は低いと示唆。PoW(プルーフオブワーク)からPoS(プルーフオブステーク)に切り替えた場合でも、ブロック確認時間が短縮されないという。ほとんどのブロックチェーン関連の問題と同様に速度など、ある変数の最適化はネットワークセキュリティなど、別の変数を犠牲にする可能性があるという。速度=ブロック時間と分散化とセキュリティのトレードオフは、ネットワークがPoWかPoSであるかに関係なく、さまざまな理由で存在するとのこと。

PoWとPoSそれぞれの問題点

ブテリン氏によるとPoWの「コア問題」はブロック時間の組み込みのランダム性だと述べている。

イーサリアムの平均ブロック時間は約13秒と言われているが、ブロックが13秒ごとに書き込まれることを意味するわけではなく、最後のブロック確認1秒後には新しいブロックが検証される可能性があると解説している。このパターンが発生した場合、ネットワーク接続が良好なマイナーが一番最初に次のブロックを波及する可能性が高くなり、ブロック時間を短縮すると、この問題はさらに悪化していくという。

PoSでは、さまざまな要素が関係しており、PoSイーサリアムバージョンでは、スロットごとに約9,100の署名を取得するためのブロックが必要で、1つのスロットでも非常に高いレベルの確認が可能となる。ブロック時間を短縮すると、多くの署名がブロックチェーンから除外され、高度に集中化されたアクターは、不均衡な報酬を獲得するためにますます有利な立場になるとのこと。

そのため同氏は将来のアップグレードについて、スロットごとの時間の有意義な短縮にはならず、迅速な確認が必要なアプリケーションはチャネルまたはロールアップに依存する必要があると結論付けている。

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