バイナンス(Binance)は複数のTUSD取引ペアの上場を廃止

バイナンスが複数のTUSD取引ペアの上場を廃止

大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、ジャスティン・サン(Justin Sun)氏にリンクされたステーブルコインのトゥルーUSD(TrueUSD/TUSD)に関連するいくつかのステーブルコインスポット取引ペアの今後の取引停止を発表した事が分かった。

取引停止ペアにはコンパウンド(Compound/COMP)/TUSD、オープンキャンパス(OpenCampus/EDU)/TUSD、ペンドル(Pendle/PENDLE)/TUSD が含まれているという。今回の決定は、流動性や出来高などの要素を考慮し、市場の質を維持することを目的とした、同取引所による評価の結果となっている。停止は2024年3月15日03:00 (※日本時間:同日12:00)からで、上記のペアの他に、アーパ(ArpaChain/ARPA)/バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)やEDU/BNBなどの他のペアにも影響するという。

上場廃止にもかかわらず、バイナンスはこれらのペアの基準資産と相場資産はサイト上の他の取引オプションを通じて引き続きアクセスできると述べている。

スポット取引ボットサービスの中止も発表

バイナンスは取引停止と同時にこれらのペアのスポット取引ボットサービスの中止も併せて発表している。

この動きは、2024年初めにTUSDが米ドルペッグから逸脱した直後に続くもので、バイナンスでのTUSD取引の不均衡は2024年1月15日に観察され、売り注文が買い注文を1億4,200万ドル(約210億円)以上も上回った事が要因だ。この不均衡により、TUSD の価値は大きく下落。また、この不均衡は24時間の取引ウィンドウ内でさらに強調され、TUSD の売り注文は2億9,680万ドル(約440億円)の買い注文に対して3億3,920万ドル(約503億円)以上に達し、4,230万ドル(約62.8億円)の純流出につながった。

ステーブルコインの価値下落の主な理由

1月10日、TrueUSDの運営に対するさらなる監視が表面化し、その準備金のリアルタイム認証に関する問題が報告されている。

このことから、ステーブルコインの裏付けについての憶測が生まれ、API(Application Programming Interface)の欠陥が指摘されたことで、担保資産の米ドル評価の提供が損なわれた。ただし、TrueUSDチームは、デペギングイベントは Binance Launchpoolでの特定アクティビティによるものであると考えており、最近のマイニング活動が短期的な裁定取引の機会を生み出し、それが市場力学と流動性調整の正常な側面であると考えていると指摘。同チームは、世界的な銀行との協力による償還メカニズムが完全に機能し、ユーザーによる中断のない取引を容易にしていることを保証した。しかし、仮想通貨間レデータを提供するKaiko(カイコ)の調査報告書で、TUSDがBinance Launchpoolでのマイニング活動に利用されなくなったことが明らかになっており、ステーブルコインとプラットフォームの関わり方に大きな変化が生じている。同報告書によると、これがステーブルコインの価値下落の主な理由につながっていると指摘されている。